こんにちは。
研修コーディネーターの日本酒こと飯島です。
(日本酒は私のあだ名です)
さて、今回は研修の評価のお話。
多くの企業で研修が行われていますが、
その評価はどのように計っているのでしょうか。
ずいぶんと昔の統計ですが、2012年の人材白書
(一般社団法人日本経営協会)の調査では、研修の効果測定を
実施している企業は48.3%で、あとは効果測定をしていないと
いう結果でした。つまり、半数以上の企業が「研修のやりっぱなし」
であると言えるでしょう。今はこの数値が変わったかもしれませんが、
いずれにせよ研修の費用対効果を含めた検討をしっかりとしている
企業は少ないと思われます。
また、同じ調査で、どのような効果測定を行ったのかという
設問がありました。その結果、「当人がリポートを提出」が
82.2%で断トツでした。これはアンケートも含まれると思われます。
次に「発表会の実施」「研修担当からのヒアリング」「テストの実施」
が続きます。
では、実際にどのような研修の効果測定があるのでしょうか。
これら考える上で知っておくべきことがあります。
それが、「カーク・パトリックの4段階の評価」です。
(5段階と言われる方もいますが、今回は4段階をご案内)
レベル1:Reaction 受講者の反応(満足度、参考度などアンケート等にて把握)
レベル2:Learning 受講者の理解度(筆記試験、上司への報告等にて把握)
レベル3:Behavior 受講者の行動変容(360度診断、上司からの評価等にて把握)
レベル4:Results 具体的な成果(売上増、残業削減、顧客満足度向上、等)
当然ながら、研修は何らかの目的・目標をもって実施されているものであり、
本来であればレベル3または4の内容で効果測定をしなければなりません。
しかし、前に述べた「どのような効果測定を行ったのか」というアンケートの
結果は、ほぼレベル1と2の内容にとどまっています。
つまり、本当に必要な効果測定がほとんど行われていないのが実際です。
(ある統計によるとレベル4の測定をしている企業は10%に届きません)
その理由は
「めんどくさい」
「研修の目的・目標が明確になっていない」
「研修の実施がゴールになっている」
ということが考えられます。
しかし、この効果測定をしっかりやらなければ、それ以降も効果のない研修を
やり続けることになってしまいます。つまり、お金と時間を無駄にしている
といっても過言ではありません。
そしてもう一つ気をつけること。
それは「受講者のアンケートを鵜呑みにしない」ということです。
とくに「満足度が高い研修」=「効果的な研修」ではありません。
満足度が高い理由で最も多いのが「楽しかった」というもの。
確かに大切な要素ですが、それだけを重視してしまうと、
「研修の効果よりも楽しさを優先」となりかねません。
もちろん、アンケートの意味が無い、楽しい研修は間違っている、
ということではありません。
が本来の効果測定の意味を考えた場合、「楽しさ」よりも「受講者の行動変容」
や「期待したいた目的・目標の達成」の方が当然重視されます。
確かにレベル3や4の効果測定は大変ですが、研修に係る時間やお金、労力を
無駄にしないためにも、実施を推奨します。
余談ですが、あるお店で面白いお酒を見つけました。
芋焼酎です。
このラベルやネーミングを見て、皆さんはどう思いすか?
実際に飲んでみたら、とても美味しく、芋の香りが素敵でした。
レベル1の評価「ラベルを見て、面白いなぁ」
レベル2の評価「あれ、美味しい!」
レベル3の評価「もう1杯!(という行動?)」
レベル4の評価;お店はこの酒で儲かる、飲み手は幸せになる
おあとがよろしいようで。