近代国民国家日本が直面した眠れる獅子とは

昨年発信したブログのバージョンアップ版を

お届けしています。

 

清朝末期、イギリスとのアヘン戦争で敗れ

アロー号事件を発端に起こった第二次アヘン戦争

でイギリス・フランスに敗れ、

その後、ロシアも介入、

それでも眠れる獅子といわれていました。

 

  隋からの科挙試験は20世紀まで続いていた

 

19世紀末、

隋の時代に始まった

超難関官僚試験といわれる

科挙試験はまだ存在していました。

 

廃止されたのは、1904年清朝末期で

それまで1300年も続きました。

 

科挙試験は、漢字の試験

ともいわれています。

 

それは、異民族が支配階級となっても

チャイナを支配するには漢字が

必要不可欠だからです。

 

読みは知らなくとも

意味は同じだからだそうです。

 

その内容は、四書五経の暗記

といわれます。

 

やっと合格するのが30代半ばという難関で、

最盛期は3000倍の倍率もあったそうです。

一生を棒に振る場合もでてきます。

 

逆にいえば、文字を知っているのは

この科挙試験に関わる人だけで

文字を知っている人はほとんどいなかった

というのがこの国の実情のようです。

 

超難関といわれても時代にあわず、

その能力は、

時代を乗り切れるものではなかった

ということがさすがにわかってくるわけです。
 

太平天国の鎮圧に貢献した

郷勇である漢人が

採用されて官僚となります。

 

そして、
西洋の産業育成や軍制改革の必要性を説き

「洋務運動」を進めました。

李鴻章は、関税収入等で武器、弾薬を購入して
自らの郷里で組織した郷勇の淮軍を強化して

北洋海軍を設立しました。

前回も述べたように

よくいえば「半官半民」の組織といいます。
今でいえば、第三セクター方式なんでしょうが、

悪くいえば、公私混同。


私が読んだ資料の限りでは、

「私的な軍隊」としか読み取れません。

逆に清国軍は、

前回も述べましたように繰り返しますが、
機能していないということです。

一時期は、日本海軍を上回るとされました。
 

しかし、
近代的な軍隊としては十分な組織ではなく、
訓練もなされていないことを認識していたようです。

さらには、肝心なところで、
日本軍との戦闘での北洋海軍の損失を恐れて
開戦には消極的であったともいわれます。
 

  日本軍対李鴻章軍の戦いであった日清戦争

 

ここで十分その北洋海軍の性質が

理解できると思います。

つまり、日本軍が国民軍であるのに対して、
清国はあくまで李鴻章の

私的な軍であるということです。

国と国民のために戦う覚悟のある軍と
損することを恐れもったいないとしか思っていない

 

私的な軍では、
最初から勝負はついているでしょう。

 

いわゆる最近よる耳にする民間軍事会社が

行政権をもっているの軍閥という感じなのでしょうか。

 

およそ日本人であれば、想像しにくい組織です。

 

しかも、学識もあり訓練と使命を持った近代軍と

指揮官以外は文字も読めない軍の戦いです。

 

兵士の多くは、日中戦争時代でも

文盲率90%という記録している資料もあります。


李鴻章は、消極的でしたが日本と開戦し、
予想どおり敗北してしまったということのようです。

李鴻章の考え方は、
「夷をもって夷を制す」譲歩妥協にあり、

講和の仲介をイギリスやロシアに期待しています。

しかし、
結局自らその敗戦処理に

当たらなくてはなりませんでした。


兵士は、戦争が終わると盗賊になり、

戦争があると兵士になったとも。

戦争のために拉致されてきた場合もあるといいます。

 

戦闘で略奪…あとは書けないような軍規のなさ、

いってみればこれが対価のようなものといわれます。

 

 

ちなみに日本軍の軍規は世界一厳しく

秩序があるともいわれました。

 

日本人の文盲率に至っては

江戸時代でざっと30%いたかいないか、

 

明治に至っては、

ほとんどいなかったといってよいでしょう。

軍は壊滅的な打撃を受け、

李鴻章は一時失脚しました。

ところが
また復活します。

人材がいなかったようなのです。

19世紀末の清国、イラン、オスマン帝国、
日本の江戸幕府などのアジア諸国は

皆弱体化しました。

 

この中で、古い気質を脱いち早くいち早く
立て直して時代に適応できたのは、

日本のみであった
ということになります。

 

現代のチャイナにおける軍は

この時とはまるで異なります。

 

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

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