竹内亮の「再会長江」を見て来ました。 | 椰子の風に吹かれて  

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中国海南島 海南師範大学日本語教師 海口市での独り暮らしの生活を終えて日本に帰国、無職になって悠々自適?な暮らしをお伝えします。



 中国語仲間5人で「再会長江」というドキュメンタリー映画を見て来た。

 有楽町駅前の角川シネマ10時半開演、10時15分集合ということだったが、少し前に全員集合。80代2人、70台1人、60代2人の5人組、私達が知り合ったのは20年ほど前だからみんなそれぞれ年をったが、元気に再会出来て、「再会長江」ならぬ「再会有楽町」となった。

 映画は2011年の長江流域の様子と、現在の様子が交互に出現する。たったの10年でこんなに様変わりするとは、中国がものすごい速さで変化していることに驚く。

 映画には長江流域で暮らす人々が紹介されていたが、かつて私の訪れたいくつかの場所が登場した。その都度、私が訪れた時の記憶と重なり、感慨にふけってしまった。香格里拉(シャングリラ)の様子が映し出されたとき、思わず「シャングリラ!」と声を上げそうになってしまった。

 今から20年以上前に家族3人(長男は留守番)で訪ねたことがあったのだ。そのころはシャングリラという名前ではなく中甸(チュウデン)と呼ばれていた。

 シャングリラでの主人公ツームーさんは、2011年当時、観光客相手に子羊を抱っこさせて写真を撮らせるという仕事をしていた。その彼女が今は、おしゃれな民宿のオーナーになっていたのだから驚いた。草原で馬に乗ったこと、ラマ教の寺院をお参りしたこと、高原の湖を見に言ったことなどが思い出されたが、映画に映し出された風景は、私の記憶の風景とはあまり重ならなかった。しかし、ラマ教の寺院を訪れたとき、小学生だった次男に、同じ年頃の男の子が白い小さな羊を抱かせてきた。喜んで二人の写真を撮ると、男の子に手を出され、これは彼のアルバイトだったのかと知り、いくらかのお金を持たせたというシーンがはっきりと脳裏によみがえってきた。映画の中の彼女の姿が、あの時の少年とダブった。その時の写真は、今も我が家のリビングに飾られている。



 もう一つ印象に残ったのは、母系の大家族と妻問い婚を特徴とする母系社会の伝統を今日までほぼ完璧に守ってきたという、モソ族という少数民族だった。彼らが住んでいるのは、雲南省と四川省の境にある瀘沽湖という湖のほとりだという。画面いっぱいに広がる鏡のような湖の水面には白い雲が映り、その上を手漕ぎのポートが滑って行く。なんという美しい景色なのだろう。次の中国旅行はここにしようと思った。

 さて、この映画の描きたかったものは何だろう?中国の広さか、時代の変化か、人との繋がりか。竹内監督は「長江」という大河の最初の一滴が見たかった。と言っていたが、単にそれだけではなく、そこに至るまでに出会った人々とのふれあいが描きたかったのではないかと私は感じた。

 これから先、あと何回中国に行けるかわからないが、シャングリラでツームーさんの民宿に泊まること、瀘沽湖で船に乗ることを旅計画のリストに載せたいと思った。

 







映画の後、私たちは銀座で美味しいあんかけヤキソバを食べながら、おしゃべりに花を咲かせた。有楽町の駅まで歩き、カフェでコーヒーとケーキをいただきながら、追加のおしゃべりをして、次の「再会」を約束して、家路についた。

 

カフェの前で、BSフジのインタビューを受けたというオマケもついて、本当に楽しく面白い「再会」だった。