岐阜新聞Webより

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190211-00113270-gifuweb-l21

 

 

2/11(月) 8:28配信

 

 

「子豚の殺処分やり切れない」 恵那の養豚場悲痛

全頭殺処分となった養豚場。イノシシ対策で柵を設置し、衛生対策にも取り組んでいた=6日、恵那市内

 

 

愛知県豊田市の養豚場から仕入れた子豚から豚(とん)コレラウイルスが確認され、飼育する豚4333頭の全てが殺処分となった恵那市内の養豚業者の男性経営者(65)が10日、本紙の取材に応じ、「特にどの豚も体調が悪いことはなかった。殺処分が始まる朝、餌をおいしそうに食べる子豚らに、例えようのない感情を抱いた」と声を落とした。

 男性経営者によると、子豚の仕入れ先から豚コレラの感染が確認されたと県東濃家畜保健衛生所から連絡が入ったのは5日昼ごろだった。「『えっ、まさかうちが』とショックだった。これまで、県の指示で、養豚場の全方位にイノシシ対策の柵を設け、衛生対策にも全力で取り組んできたつもりだったから」。カラスや小動物を介した感染をむしろ心配していたという。

 殺処分が始まった6日は早朝、補償の査定のため、県職員らと養豚場内に入った。お産の世話をした小さな子豚たちがか細い鳴き声を上げながら元気よく走り回っていた。「この子たちもやがて処分される」。そう思うとやり切れなかった。

 豊田市の養豚場を発端に5府県に豚コレラの感染が拡大した。長野県の養豚場には、愛知県が豚の異常の把握後にも出荷されていたことが問題となっている。豊田市の養豚業者と15年ほどの付き合いという男性経営者は、「本当は、いつから豚の異常が出ていたのか。信頼関係は壊れてしまった」と漏らす。

 岐阜県による殺処分、埋却処分が9日に終了した後、養豚場南側の埋却した場所に塩と酒を置き、献花した。再開の費用は、国による補償で大半が賄えるという。男性経営者は「できるだけ早く再開するつもり。場内の消毒などやることばかり。いやでも吹っ切らなければ」と気丈に振る舞った。