「直流バイアス特性によるセラミック・コンデンサの実容量の問題」
ここまでひどかったとは・・・・。
相当お怒りのようです。最近1608のセラコン揃えたばかりの私も (#゚Д゚)ゴルァ
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更なる小型化、1608サイズのセラコンの特性
2010年になるとセラコンの小型化は更に進行し、1608サイズで10μF/25Vという製品が登場しました。このサイズで高耐圧・大容量と言う事で多くの顧客で使用されましたが、何度もトラブルが発生しました。このコンデンサの電圧容量特性を見ると右下図の様になっており、25Vもの耐圧が有りながら、5Vで使用すると容量は半分以下しかありません。使用電圧の2~3倍の耐圧マージンを取っていれば普通は直流バイアス特性による影響を無視できていたはずだったのが、小型化による特性劣化の進行で低い電圧から容量の減少が始まっていて5倍の耐圧をもたせていても足りていませんでした。出力容量の不足から電源ICの動作が不安定となり、電圧がふらふらして安定しないというトラブルが発生したのでした。顧客としては電源ICのデータシートに書いてあるのと同じ106=10μFを使用しているのに電源ICが正常に動作していないので電源ICの問題とされており、コンデンサが悪いと説明してもなかなか納得していただけませんでした。
X5Rなどの温度特性の良い誘電体を選択し、充分な耐圧のディレーティングを持たせたとしても小型パッケージのセラコンの実容量は定格容量の半分以下しかない場合があります。コンデンサの容量の規定は直流電圧が0Vでの交流での測定で、公差の+/-20%もその容量に対してであり、3Vを印加するだけで容量は20%減少し、定格電圧の25Vを印加すると-90%以上、つまり容量が10%未満になってしまうスペックです。表記容量は実際の使用環境での実容量の値を保障しているものでは無いと言う事に注意する必要があります。回路設計時に計算された容量は実容量であり、例えば計算結果が8μFだった場合、誤差を見込んで10uF=106 を選んでいたはずなのに、必要な容量を確保するには106の型番を持つ公称容量10uFのコンデンサを2個並列に接続して使用しないと計算値を満足する容量を確保できない事になります。
小型化のためにサイズの小さなコンデンサを選択した結果、実容量の不足で動作が異常となり、2個使用するか、公称値が2倍のコンデンサを選択する事が必要となります。却って基板面積は増加してしまい、トータルコストのアップにもなる可能性があります。セラミック・コンデンサを選択する時は必ず製品ごとの個別データシートかWEBツールなどにより温度や印過電圧に対する容量特性を調べて、実際に使用する環境条件で実容量が幾ら有るかを良く確認し、電源設計時に必要とされる容量のスペックを満たしているかを確認しながら部品の選択を行ってください。
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はい、ごめんなさい。
ちょっと前、CS8416にチップコン付けて喜んでいた自分が恨めしい。
特性だけみればDCバイアスかけても容量がほぼ減らないセラコンも
存在(温度補償用のC0G特性とか)するけど、これは大容量が存在しない
ので、きれいに今回の話題の範囲外。1000pはかろうじてあったので、
早速ポチりました。