「それにしても嫌な世の中になりましたなあ」


私はまやかし達と共に宴会を楽しんだ


モグラの柄のシャツを着た中年の男が静かに話しはじめると


皆がし〜んと静かになった


「あらあ、この世は昔も今も変わりませんわよ」


猫目の女が言うと


「いやいや、昔のほうが人間達にとっては怖かったのでは?」


と案内人の男が言った


「一部の爬虫類系たちは人間を食べていたからなあ」


カエル男が大きな口で獲物を捕らえる真似をした


「そうねぇ、その爬虫類系たちは最新科学を利用して日照りなんかを起こして、人間をお供えするように仕向けたのよねぇ」

 

猫目の女が目をキラリとさせる


「そうさね、そのうち人間が爬虫類系を神様と呼び始めてさあ、今は表舞台から消えたけどしっかりと裏の世界を牛耳っとる」


カエル男はゲロゲロと喉をならした


私は入口付近に優しそうな女の人を見つけたので静かに移動した


「あの、私まさか爬虫類系なのでしょうか」


こっそり聞いてみると女の人はきっぱりと告げた


「あなたは空をかけめぐる者、地を這う者達とは違うわよ」


とりあえず自分が爬虫類系ではなくてホッとした途端


女の人が私の顔を覗き込んだ


「あなた、まさか空の飛び方を忘れたの?」


えっ!?空の飛び方?


スピッツのほう?それとも魔女の宅急便ですか?


目を白黒させていると女の人が私の背中に手を触れた


「羽がカチコチじゃないの!!」


え?羽?


ララ〜ラ、ランドセルは


てて〜て天使の羽♫(*´ω`*)


私って鳥族なのか!!ψ(`∇´)ψ


どうせなら鳥貴族!!


それは飲み屋や〜ん!


パニックになる私に女性は安心感を込めて言った


「大丈夫よ、そのうちあなたも仲間の天使達に会えると思うわ」


天使?


私は思い出した


天国の授業が受けたくなくて


人間に生まれ変わりを希望したことを!!


途端に肩甲骨あたりがムズムズしてきた


そうだ!私の羽!大切な羽!!


私は自分の背中を確認しようと


洗面所の鏡へと急いだのだった