アジア読書 -94ページ目
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タブーの漢字学

著者: 阿辻 哲次
タイトル: タブーの漢字学
日本を代表する漢字博士。「元来」は「元」が再び来るから「原来」となった。などうんちく満載。汚い方の「ウンチク」の話もあり。



香港無印美食

著者: 竜 陽一
タイトル: 香港無印美食―庶民の味ワンダーランド茶餐廰へようこそ!
おそらく初めての香港茶餐廰を主題とした本。茶餐廰とは香港の喫茶店兼定食屋みたいなもので、香港人に聞いた香港らしいものの第一位に選ばれたというか ら、多くの香港人にとって原風景と言うべきものだ。朝から夜、更に、宵夜と呼ばれる夜食まで、外食が普通の香港人にとって茶餐廰は大変、身近なものであ る。そんな最も香港らしい香港スポットの世界を日本人にも知って貰おうという一種の啓蒙本。個人旅行ではなかなか、ガイドブックに載っている様なレストラ ンには入り辛いと思うが、一人でも余裕で入れる茶餐廰の味は日本人にとっては悪くない(例外もあるが)と思う。是非、トライしてほしい。

香港映画の街角

著者: 野崎 歓
タイトル: 香港映画の街角
著者は東大の仏文学の先生。でもなぜかこれは香港映画の評論集。本人が認めている様に映画館で香港映画を観た事はあまりなく、もっぱらVCD,DVDで観 賞したらしい。初めて香港に行ったのも返還後だとか。往時を知る者から見れば、もはや香港映画は壊滅状態の一歩手前なのだが、この著者は香港映画に希望を 見ている様だ。映画評論につきものの、こじつけ、深読みは、まあ仕方ないとしても、勘違いも多々。「香港映画」と「香港社会」は「インド映画」と「インド 社会」同様、全くの別物である事は、ちょっと考えれば分かると思うのに、どうしても日本映画やフランス映画と同じ視座で評論してしまうのだろうか。驚くほ ど膨大な本数の映画を引用している本なのだが、そうした香港映画で香港を語るという観点では、一番外せないフルーツ・チャンの作品を意図的としか思えない ほど、完全に無視したのはどういう理由なんだろう。単にキライだったのかな。



九龍城探訪

著者: グレッグ・ジラード, イアン・ランボット, 吉田 一郎, 尾原 美保
タイトル: 九龍城探訪 魔窟で暮らす人々 -City of Darkness-
跡地でも売られていた英語版の存在は知っていたが、取り壊し後12年を経て在りし日の九龍城砦の姿を紹介した写真集が日本語版で登場。この本が特に優れて いるのは、生きている廃墟としてその筋のマニアを満足させつつも、あくまでもそこに暮らしている人たちの生活を、非常に興味深いインタビュー記事を以って 紹介する事を中心に据えている点にあるだろう。副題が「魔窟で暮らす人々」だが、その主人公たちはごく普通の香港市民である。かつて香港全体が魔窟である 様に言われた時期もあったが、その意味では九龍城砦は香港の縮図であった。そしてそこに暮らす人々は中国大陸から逃れた難民たち。成功を夢見るヒマもなく 日々生きていくために働く、愛すべき小市民の姿がそこにはあった。日本人では数少ない「魔窟」生活経験者の吉田一郎氏が監修。

転がる香港に苔は生えない

著者: 星野 博美
タイトル: 転がる香港に苔は生えない
何か賞をとったカメラウーマンの香港滞在記。視点に気負いがなく好感がもてる。その後どうしているのだろうか?



「一国二制度」下の香港

著者: 興梠 一郎
タイトル: 「一国二制度」下の香港
地方紙の香港支局員による記事集。タイトルほど大げさなものではない。



マカオ歴史散歩

著者: 菊間 潤吾
タイトル: マカオ歴史散歩
オールカラー歴史散歩シリーズのマカオ編。行く前にちょと眺めておくには良いかも。



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