こんにちは！

杉野洋明です。

５月２３日、盧武鉉（ノムヒョン）前大統領がお亡くなりになられました。

謹んでご冥福をお祈り致します。

さて、前回は、米収奪論について、当時の新聞記事を通じて、韓国が主張する内容の矛盾点について述べました。

まずは、おさらいとして・・・当時の新聞を見る限り、米の流れは、朝鮮→日本という流れだけでなく、日本→朝鮮の流れがあった事が確認出来ました。

従って、少なくとも、韓国の言う「収奪」というのはオカシイ、収奪ならば、一方通行になるだろう、と。

しかし、では何故、「日本→朝鮮」という米の流れがあったのか・・・というのが前回迄に述べさせて頂いた内容です。

前回にも書きましたが、ここで、更に第三の視点を加えたいと思います。

日本のもう一つの植民地域だった台湾の視点で、この謎について述べたいと思います

今回、参照するのは台湾総督府が発刊した「台湾の米」という本です。

1935年1月「台湾の米」　台湾総督府

これを読み進めていくと、戦前の日韓台の米の動向が良く分かります。

まずは、韓国→台湾の米の動きのデータです。

「朝鮮ヨリノ移入高」と書かれたこの資料を見る限り、昭和７年から、朝鮮から4,510石の移入がありましたが、その後は、昭和8年に156石、9年に512石と、ほとんど移入が無かったことが分かります。

韓国風に(?)、ちょっと皮肉って表現すると、「台湾は韓国から米を収奪しなかった」ことになります。

では、逆に、台湾→韓国の移入高はどうだったのでしょうか？

なんと、大正14年には、既に台湾から、大量の蓬莱米が、韓国から移入されているのが分かります。

大正14年は、3万3806石、翌15年は5万1427石、そして昭和4年には12万3861石の移入があったことが分かります。これは昭和7年に韓国→台湾に移入された4510石の30倍の量になります。

韓国風に皮肉って言えば、「韓国は台湾から蓬莱米を収奪した」ということになりますね。

なお、昭和4年台湾から日本に移出された量が約218万石なので、台湾は移出高の95％を日本へ、5％を朝鮮半島へ移出していたことになります。

しかし何故わざわざ朝鮮は台湾から蓬莱米を移入していたのでしょうか？

その鍵は米価にあります。

当時の米の価格が、この「台湾の米」に記載されているのですが、ここから面白いことが分かります。

「内地ニ於ケル内地米、朝鮮米及台湾米ノ価格」と題されたこの資料を見ると、昭和2年から昭和8年まで、台湾米の価格は内地米と比べて、かなり差があるのに比べ、朝鮮米は、内地米と接戦していたことが分かります。

更には、昭和9年の11-12月の価格に注目してみましょう。

11月の内地米の価格が21.11円なのに対し、朝鮮米は22.30円、12月は内地米20.29（99？）円に対し、朝鮮米21.81円で、瞬間的ながら、朝鮮米が内地米より高くなっています。

当時の先進国で、米を日常的に食べていた国は日本だけなので、朝鮮米は「世界一高い米」になっていたわけですね。

もう、これ以上の説明は蛇足かも知れません。

要するに、朝鮮は、商品作物として朝鮮米を高値で移出して、自らは安い蓬莱米を食べていただけ。

となると、ある意味、米の収奪論を叫ぶ韓国人は、愛国者の振りをしながら、実は祖先を馬鹿にしていることになるかも知れません。

なぜなら、当時の朝鮮半島では、正に最高級の米を作って、それが日本で「日本米より高い」という評価を受けていたわけです。

そこには、植民地統治下で努力した韓国人の、その努力の結晶が、朝鮮米だったわけです。

そうした努力を見ずに、収奪されたとは何事でしょうか？

100年くらい経って、韓国は半導体や自動車を日本やアメリカに収奪された！と言うのでしょうか？

サムスンや、現代自動車のエンジニア達の努力を完全に忘れ、収奪！収奪！と叫ぶ韓国人が目に浮かびます...と言えばちょっと言い過ぎですね？

しかし、なんでもかんでも日本憎し、という歴史教育のせいで、の植民地統治下での朝鮮人の努力と成果を忘れているのではないでしょうか？

韓国人も、ちょっと視点を変えて韓国の歴史を見て欲しいものです。

「日帝の米収奪論」に反論する（後編）