おはようございます。

 

5月プログラムが終了しました。

今月は、今後の取り組みに向けてベースとなるべき内容。

 

私たちも言葉にし難いことが多く、プログラム構成をするのにギリギリまで粘るという日々が続きました。

 

皆さんの積極的な頑張りもあって、次のサイクルに向けて必要な材料を揃えることができました。

 

 

それでは、本日のお題です。

 

 


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クロスの概念

 

今日はコラムを兼ねて、このプログラムで実施したことの「タネあかし」をします。

当日使用した言葉を用いりますので、プログラムに出席されていない方は、内容の真意はご理解頂けないかと思います。

参考程度にお読みください。

出席された方は、当日取られたメモをみると、どの場面のことを言っているのかお分かりになると思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

反射。

 

クロスの概念、このプログラムでの裏テーマが「反射の抑制」でした。

反射というのは、転びそうになったときに手を出す。熱い鍋に触れた時、とっさに手を引っ込める。無意識に行っている現象です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これまで、今まで。

 

皆さんはバレエを学ぶ過程において「軸脚にしっかり乗る」ということを身につけてきたと思います。

その結果、オンバランスを通り越して「寄りかかる」時間が長くあったと思われます。それはバレエだけでなく、日常生活においても言えることですが、ここから「オンバランス」に近い状態まで来ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

反射の抑制=クロスといっても過言ではない。

 

 

ここから先、動作をバレエにしていくためには「オフバランス」をカラダに入れていく必要があります。

そして、オフバランスになるからこそ「クロス」という概念の真意が理解できるのであり、逆説的にオフバランスになる瞬間がなければ「クロス」という概念が必要ないことを指します。

オフバランスの状態で「形」を作ろうとした際に「勝手に、自動的に」働くのが「クロス」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どんな時に現れる?

 

皆さんは片脚になることに慣れているとは思いますが、日常生活から比較して、バレエでは片脚になる時間が圧倒的に長く存在します。

片脚になるとき、無意識に転倒を防いだり、怖い・危険という情報をとらえます。

怖い、危険と無意識に捉える(=反射)からこそ、支持脚にしっかり乗ろうとし、オンバランスになります。

もちろん、無意識に。

 

 

 

 

 

 

 

 

じゃあ筋で!はできません。

 

では。

オフバランスになろうとしている時、筋や関節を指定して活動しようとすれば、なんとかなるか?

答えはNO。

この「反射」が働き、筋を使おうと思った瞬間から、オンバランスになろうとしてしまいます。

 

 

 

 

 

 

意識する=オンバランスになる、難しさ…

 

 

この点の改善の難しいところは、本人は無意識であって、筋や関節の活動のように自覚が持てないこと。

意識をした途端オンバランスになるということは、指導者側が人知れず(笑)判断していかねばなりません。

従って、この「反射」を抑制する必要性をプログラム冒頭で述べてしまうと、意識するあまり、オンバランスになってしまうので「無意識に反射を抑制する必要」がありました。

 

こうした事情があり、今回はホームページや当日の座学でも反射の抑制に関しては一切を伏せたという意図があります。

色々考えてるんですよ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当日の流れを振り返り。

 

1コマ目で原理、2コマ目はデフィレとアンシェヌマンで実際のムーブメントでクロスの概念を行いましたが、このデフィレの部分が「反射の抑制」にあたります。

 

もし、舞台等でデフィレをやるのであれば、当日取り組んだ「横一」はあそこまで厳密に行わなくても大丈夫ですし、もっと演出的要素を取り入れて美しく見せることは可能です。

ただ、当日行ったものは、学生でもバレエ団のコールドでもなく、エトワールがパーフェクトにデフィレができたら、という状態の一種の再現になりますので、おそらく、世界で一番難しいムーブメントになっていたと思います。(ごめんね 笑)

 

ただ、これをやることによって、動きの最中、今までになくオフバランスの時間を長くすることが可能となります。

普段オンバランスになっていますから、やりにくいのは当然です。

やりにくかった人が正解です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なぜ、デフィレだったのか。

 

反射の抑制をするのが、なぜデフィレだったのか。

まず、バレエステップだと、不随意的にプレパレーションや予備動作でオンバランスに入るため、抑制は出来ません。

 

プログラム自体はバレエに関してのプログラムということで、バレエの形態を用いつつ、出来るだけ反射を抑えられるもの、それが「歩く」という動作と同じ認識を持ちやすい「デフィレ」でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょっとだけでも心がけてほしいこと。

 

これ以上話すと、相当難しくなるのでこの辺りにしておいて、プログラムに出席された方に、ちょっとだけでも心がけてほしいことを挙げておきます。

 

・クロス→力のベクトルによるもの、位置自体によるもの、分けて考える

 =まずは、ベクトルを試してみましょう。

 

・3番と5番ポジションの作りかた

 

・バットマン系、ポジションに戻す際の「幅」。

 

・シュス、5番ポジションのソッテのつま先の位置や重ねる部位。

 

・5番より3番の利用。

 

 

当日はカラダ自体を変えていくために、皆さんからすると、若干わかりにくい、体感しにくいであろうアンシェヌマンを選択しましたが、グリッサードやアッサンブレなどおなじみのステップで、当日取り組んだものをそのまま変換できます。

 

取り組みやすいところからやってみるといいと思います。

 

特に「5番より3番」、ここの考え方を切り替えると、センターでのポジションが入るようになってくると思います。

 

バーはかなり良くなってきたので、センターでも形式様式を入れていきたいですね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まとめ

 

形式を一定程度守れているのであれば、位置をクロスしてしまうと、姿勢を保つことができない・脚の角度や位置が取れない・アンディオール(ターンアウトではなく)が取れない・腰が落ちるなど、様々なことへ支障が出ます。

 

なんちゃってバレエではなく「バレエ」でのクロスの意味、意義を頭の片隅にでも入れておいてほしいなと思います。

 

応用しやすい概念ですので、自分でもいろんなステップで試してみてくださいね。

楽しみながら「このステップで使えるかなー」がいいと思います。

 

 

 

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