演目は「チャールダーシュ侯爵夫人」の作者カールマーンによるオペレッタ『伯爵令嬢マリツァ』
初めて観る演目です。

あれ、HPからコピーしましたが表裏でサイズが違う
主催するのは「東京オペレッタ劇場」
澤村翔子の経歴を見ると(出所: wikipedia) この劇団のほとんど専属歌手です。
オペレッタが好きなのかなぁ、と思います。今まで何度かこの劇団の役を見ましたが、どれも似合っていなかった。この人は沼尻竜典さん(指揮者)と共演か或いは沼尻さんに推薦された時の公演が一番似合っています。そもそもこの人を最初に見たのは沼尻さんの公演でした。群馬で私の友人のマリア・ラドゥエヴァと共演した時も沼尻さん(群馬交響楽団の首席指揮者兼芸術アドヴァイザー)から呼ばれたと聞きました。
オペレッタ劇場に出演するときはいままでいつも「歌唱」が少なくて期待を満たされない事が多かった。つまらない筋書きでも歌がよければ大抵の公演は十分価値があるものです。「歌」より「寸劇」の割合が多いこの劇団はどうも好きになれませんが、今度こそはと期待して行きました。
澤村翔子はジプシーの女占い師役。「妖艶」という設定だそうですが(解説ノートより)、なんか80年代のヒッピーのようで美しくもない衣装にがっかり。衣装といえばもっと出番の多い若い娘リーザ役の富田沙緒里の衣装も膨張色を着せていて、太って見えて役柄に全然合っていない。とモデル出身の
発言。(
はいつもメイクと衣装にウルサイです)衣装のセンスが無いなぁ。というよりあまり深く考えずに貸し衣裳から選んだだけではなかろうか。
澤村翔子は最初に歌いました。あれは良かった。難しい音程変化を確実にこなして歌手としての技量の高さを見せました。ただ「ナクソス島のアリアドネ オペラ劇場あらかわバイロイト2014年11月23日(日祝) C公演」で作曲家役の澤村翔子を観た人が「声量が足りなかった」と書いていましたが、私も今までの9割ぐらいしか出ていないことを感じました。歌の種類のせいではないと思います。身体のコンディションが変わったのかと思います。
さて、澤村翔子の歌唱が終わっても観客は誰も拍手しないまま進みます。役者が次々登場しますが、まず感じたのは「ケミストリーが無い」
ケミストリーというのは適当な日本語がありませんが、舞台上の役者どうしの一体感、時空を共有しているという熱、のことです。無い。お互いのことが好き、という感覚が全然無い。共演するのが楽しいという空気が舞台の上にまったく無いのです。そういう気持ちが感じられたのは富田沙緒里だけです。新人だから出られれば嬉しいでしょうが、他の人たちの間になにかあったのか、と感じられて、客席との間に冷たい壁があります。観客を巻き込むことができていない。小さな劇場なのに。(183席)
一方、男性の特定の役者が出てくると、意味なく笑ったり歓声を上げる中年以上の女性が最前列を占め、中ほどの客席にもそういう人がたくさんいました。もともと女性比率が7割以上でしたが、どうやらこの客層は「男性役者のおっかけ」で構成されているのです。この劇団には同じ演目でも繰り返し観に来てくれるお客様がいる、と澤村翔子が言っていたことがありますが、演目の内容より別のものによるものと今回感じました。もったいないことです。もっと歌唱力で勝負できる人もいるのに使い方がそうなっていないのです。
私はこの劇団は好きではない。何回も見たけど変わりませんでした。オペレッタを上演しているのにちっとも楽しさが無いのです。笑わせるのはダジャレとかその時の流行り言葉のマネとか、今回は太田胃散のギャグを言わされてましたがあの伴奏をしたときのビアニストは恥ずかしかっただろうと思う。そういうもので笑わせるのがオペレッタではないでしょう?志が低いとしか思えません。
リーザとポプレスクが愛を確認してワルツを踊る、というシーンがありましたが、踊るのかなと思ったら二人で手を取り合って左右に体重を移動するだけ。
二期会のチャールダーシュの公演の時も書きましたが、ワルツというのはヨーロッパの社交界のシンボルなんです。貴族がワルツを踊るというのは欧州の文化であって、アメリカ人はしない。西洋人でも「ワルツ」というのは憧れのシンボルなのです。二人が貴族ならここで楽しそうに幸せいっぱいにワルツを踊るというのは演出上の大きな見せ場のはずです。それを台無しにしました。
以前、日本の某ノーベル賞受賞者が授賞式に奥さんと出席した時、授賞式の後にはパーティーがあって、当然ボールルームがあって、年寄りばっかりのノーベル賞受賞者の中で若い奥さん(当時32歳)とワルツを踊ったことがあります。それは見栄えがよかった。日本人の生物学者がワルツなんか踊れるはずがないから、これはこの晴れの日に日本の名誉をしょってワルツを披露できるように練習したに決まってるんです。人に見せるのが仕事でない人がそこまでするのに、芸人が舞台で見せるためのワルツを練習してこなかったというのは芸人失格と思います。あるいは、この演出家にそういう考えが無かったのでしょう。
この団体から何か学んで人が育っていくことは無いと感じました。
思えば、澤村翔子がいままで一番輝いていたのは「ダークヒルズ恋愛白書」のドナ役をやったときでした。鷲尾舞衣さん目当てで観に行きましたが(2012年1月)、澤村翔子のドナに圧倒されました。あとで知りましたが、台本を書いたのは澤村翔子の夫の北川辰彦だったそうです。自分の奥さんにもっともいい役をやるのは当然でしょう。澤村翔子がこの劇団になぜまだ加わっているのか、不思議です。もっと自分の歌唱力だけで勝負すれば良いのに。残念な事です。
今日と明日もあるそうです。
最後までお読み戴き有り難うございました。
■ 付記
「リーザとポプレスクが」と書いてしまいましたがリーザと結婚するのはポプレスクではなくジュパンだそうです。済みません。お詫びして訂正します。三人を超えると名前が覚えられないんです(^^;
















