HPはこちら。
盛田麻央さんと小林紗希子さん目当です。
うーむ。会場は五割の入り。ご年配の方多し。
歌手は盛田さんと小林さん以外は年金生活者比率高く。
むかし(2000年頃)、フィリッパ・ジョルダーノという歌手がいてアリアをコブシをつけて歌うのにびっくりしたことがありますが。
こちらは本家本元、アリアを演歌のように歌う団体らしい。。。
最初は
と一緒に戸惑いを隠せませんでしたが次々出てくる年配の歌手がみなさん独自の世界を貫いていらっしゃるお姿を見るうちに「これはなかなか楽しい演し物である」と腹をくくりました。ブラボーも飛び交い、ここはどこかの宴会場か。。。
盛田さんは初めて聴きましたが抜群に上手。(ここの出演者群のみならずです)
経歴を改めて読みましたが色んな賞を立て続け総なめ。フランス語が得意のようです。こういう人をサラブレッドというのでしょう。育ちも良さそうな人です。
なぜそんな人がここに出ているのか不思議ですが、司会の佐藤光政さんという人は第42回(1973年)日本音楽コンクール声楽部門第1位という経歴の人だそうで、盛田さんが第81回(2012年)の入賞者だから、そのご縁なのか。
小林さん。二期会マイスタージンガーで澤村翔子がいなくなった後にアルトのポジションに入った人ですが、初めて聴きました。サムソンとデリラの「私の心はあなたの声に...」を歌いました。
この歌には私には一家言あって、「高音の弱音」のコントロールがどのくらいできるかで歌手の技量が試される歌です。特に最後のところを「消え入るような弱音」に持っていく人と「声量いっぱいに歌う人」とはっきり分かれますが、前者の代表がオルガ・ボロディナ、後者の代表がジェシー・ノーマンです。最後の高音を強音で歌ってしまう人は、このアリアを分かっていないと思う。それはボロディナの歌を一度聴けば分かります。
ということでこの歌はメゾ・ソプラノの「音楽センス」を計る試金石のような歌ですが(もちろん、私にとっての、です)小林さんは最後の部分を大声で歌いました。歌唱後に司会の佐藤さんにも「スピントの声質」だと言われていましたが、全体にこの人は歌がウルサイです。声が大きいというのとは違う。情感が乗らない。もうちょっと工夫が欲しいものです。私が言うことでもありませんが。
佐藤さんに「スピントの声質で強い喉も持っているからソプラノも目指したらどうか」と言われたら「私は性格がメゾソプラノなのでメゾで行きたい」と答えました。性格がメゾソプラノって、どういう意味なんだろう。謎です。
この団体の来年のコンサートの呼びかけがパンフレットに載っていましたが、声楽はひとり8分程度の持ち時間で参加費用が3万円。3000円のチケットを30枚渡すから参加費は自分で元を取れる、とのこと。つまりノルマ制ですね。東京二期会のチケットは券面の10%が歌手のマージンだそうですが、こちらは100%のようです。募集は10名。
この団体は「年々状況が厳しくなっているクラシック音楽界において、才能、可能性を秘めながらも、音大などを卒業した後、経済的な理由などで、ステージから遠ざかり、才能を開花させることなく終わってしまう音楽家の卵たちの才能を発掘、育成すること」も使命の一つと考えているとパンフレットに書いてあり、その志は結構だけれど「どんな人が集まるか全く分からないコンサート」に出場するのも無謀な冒険だと思います。その例が本日のこのコンサートでは?ふさわしくない人と同じコンサートに出てしまって「この人は何処を目指しているのだろう」と思われる危険もある。実際には35歳過ぎてもそんな印象を持たされる歌手もいますけれど。
「道筋」を示してくれる人の存在が、日本の若い歌手には不足している。
そういう感想を強くしました。
最後までお読み戴き有り難うございました。

