第68回全日本学生音楽コンクール全国大会声楽部門大学の部@みなとみらいホール 2014.12.2 | リーベショコラーデ

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thoughts about music and singers

昨年に続いて横浜市民賞の選定委員に応募したらさせて戴けることになり、行ってきました。


回数はミスプリントで、第68回が正しいです。12月2日は火曜日です。

決勝に残った10人を聴くわけですが、今年は昨年に比べて市民賞の票は割れませんでした。

同じく選定委員で来場したにゃーも、10人聴いたらすぐに「この人しかいない」「表現力があった」「オペラで観てみたい」と言っていました。その人が市民賞を獲得しました。

市民賞 日隅葉子(ひのくまようこ)さん(6番目の歌手)

おめでとうございます!

確かに表現力があった。
市民ではなく審査員が選ぶ2位にも選ばれました。

でも私は別の人に投票しました。
その人も市民の票は結構集まっていた。
(主催者から『詳細はブログに公開しないでください』と言われてるので割愛します)

私が投票したのは中村佳奈子さん(3番目の歌手)
ドイツ語の歌って、去年も感じたけれど私には地味に聞こえます。
イタリア語の歌を歌ったらもっとアッピールするんじゃないのかなと今年も思いました。
(私は審査員ではないので聞き流してください)

でも地味に聞こえたけれど中村さんは『オペラ歌手に必要な雰囲気』がすごくあった。声量も豊かで、こういう人に伸びてほしいと思わざるを得ませんでした。私以外にも彼女に投票した人が少なからずいたことはご同慶の至りです。(しかもどうしても一人に絞れないときにつける次点票は一票もなく、みなさん「中村佳奈子」一本票でした)


で、優勝したのは10番目の歌手 相原里美さん

私的には因縁のある「ナクソス島のアリアドネ」から~偉大なる王女様を歌いました。




もう何を書こうとしているか、お分かりかと思いますが(笑)
去年この歌を歌った奥村育子さんはびっくりするほど上手でしたが2位でした。それは何故か、は去年書きましたので繰り返しません。そのことを思い出すと、同じような技量で相原さんは一位に選ばれたというのは、歌唱以外のトータルの要素でバランスよく高かったという事だろうと思うのです。一位にケチをつける気持ちは無いので以下割愛しますが、それにしてもこの一年間、プロの歌唱をたくさん聴きましたが、やっぱり学生一位と言っても、プロの「これで生きてるのよ」の歌とはやはり違います。先月聞いた川島幸子さんのツエルビネッタ(偉大なる王女様を歌う役です)は、聞いていて涙が出ました。そういう歌唱はいくら決勝の緊張感あふれる舞台でも聴くことはありません。

そういうのは何が、どこが違うのか。
「技術」
ではないのはもう私には明らかです。
アンナ・ネトレプコがインタビューで「歌に感情は込めない」「技術は鍛錬でどうにでもなる」「でもそれだけだと『ああ上手だね』と言われるだけ」「カラスの歌を聴くと誰でも涙が出る」「だけどそれが何故なのか誰にも分からない」「soul、かな」(インタビューは英語でした)と言っていたのが忘れられません。


日隅葉子さんはコンディションもメンタル面も万全ではなかった、不満や後悔も節々にあります、とブログで述べておられますが、いつも折々書いていますが「その時その瞬間の自分がいつでも最高」なのです。万全でなくても「今見せるのは最高の自分の姿」なのです。聴衆はそういう人を見に行くものであって「私はまだまだ90点ですが歌います」という人を見たいのではない。「持ってるもの全部出します。明日死んでも後悔しません」という人が輝くのです。


上を目指して、より高みを目指して精進してください。


最後までお読み戴き有り難うございました。


■ 追記
※去年の横浜市民賞受賞者梨谷桃子さんが12/23にコンサートに出ます。
会場:ハタ楽器菊名コンサートホール 横浜市港北区菊名4-3-21青木ビル5F電話045-434-1100
開演は15:15 チケット代2000円 席数100
予約申し込みは
横浜音楽協会事務局 http://www.7-o-k.com


毎日新聞の記事です
<大学の部>
▽1位=相原里美(武蔵野音大大学院)
▽2位=日隈葉子(大阪音大卒)
▽3位=市川敏雅(大阪芸術大大学院)
▽入選=村井優衣、久保田絵美、中村佳奈子、山際きみ佳、青木海斗、山田花織、小川栞奈
▽横浜市民賞=日隈葉子