寺沢希美のSweet Classic Vol.4 世界音楽紀行〜オーストリア・ドイツ編 | リーベショコラーデ

リーベショコラーデ

thoughts about music and singers

銀座ヤマハホール 2013年5月28日火曜日19:00開演

初めて聴きますが日経CNBC「Save Earth」キャンペーンイメージキャラクタという触れ込みに興味が湧いて、彼女と二人で行ってきました。

CMに出ているそうですがテレビを見ないので見た事も聴いた事もありませんでした。

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先日「プロとアマチュア」の話を書きましたが、これから書くような事は誰も進んで書かないでしょうから私が書こうと思いました。

この人はソリストとしてプロで生きていけるとはとても思えませんでした。
速いパッセージは弾けるけれど運指が飛躍するようなフレーズの時は必ず音の冒頭が外れます。
音も濁っている。全曲で音を外しました。耳が音楽家の耳ではないような、自分の音を聞いていないような演奏者です。

写真で見ると20代そこそこですが、2001年(12年前)にザルツブルグ音楽祭コンチェルトソリストコンクール優勝と履歴に書いてあるのでジュニア時代の話でしょう。演奏していない間、司会の人が話しているとき髪をいじったりしていて現場に参加していません。人の話を聞いていない。マナーが無い。舞台人としてもまったく失格です。

なのに演奏が終わるとブラボーを叫ぶ男性も居て、これが日経CNBC(それが何なのか知りませんが日経グループだそうです)が採用するほどの音楽家なのかと、要するに今は「ビジュアルの時代」ですが、それは悪い事ではありませんがこの人はビジュアルだけで、テレビ映りがいいからと、音楽について何の趣味も無い日経CNBCの社員が選んだだけの人というのが感想です。

演奏者が期待はずれのことはちっとも問題ではないのです。
こういう人を名のある日本企業が選択する、という事の方に失望したコンサートでした。私たちの他にもアンコールを聴かずに会場を後にする人たちがいましたが、それはただ他の用事に急いでいただけかも知れません。

伴奏の光田健一という人は初めて聴きましたが、この方は素晴らしい演奏をしていました。彼女を紹介するときに思わず「のぞみちゃんは・・・」などと言っているので、アーティストとして対等に見ていない、子供扱いなんだなという印象を強くしました。育てようという気持ちが周囲にあるならもっと真剣にやったらどうなのか(日経CNBCさん)。でも本人が気にしていない、世界を目指すようなことは考えていないのであれば、少しのファンにブラボーを貰って幸せでそれでいいような気もします。才能に限界のある人にはそういう人生もあるでしょう。入場料がただでもこの演奏に残り少ない時間を使う気にはもうなれません。

※別に世界を目指さない人を批難する気持ちは全然ありません。