頑張ってS席18,000円

知りませんでしたけど、二期会の公演は出演者割り引きチケットというのがあって
出ている歌手さんから割り引き料金でチケット買えるんです

☆私が経営者だったら、う~ん、「客の呼べる歌手」を出演させるだろうなぁ、やっぱり

オペラ業界は金とコネの世界だと「ブライド」にも描かれていたし☆
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面白いです

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しかーし、
サントゥッツアというのは、2010年5月29日よこはまみなとみらいホールの
可憐な乙女(by 澤村翔子さん)の印象が余りに、あまりに強くて

可憐な乙女じゃなくて、どう見ても30過ぎのおばさん容姿の歌手が唄うサントゥッツアは
違和感が最後まで拭えなかった・・・・歌は上手いけれど

確かによこはまみなとみらいホールの解説(by 青島広志さん)には、はっきり
「サントゥッツァは、美しくないために長いこと彼ができず、やっとのことで獲得したトゥリッドゥも、
おそらく醜女の深情けがあまりに昂じたために、すぐに失ってしまいます。
諦めて他を探せばいいのに、あまりに執着するものですから、トゥリッドゥは美しいローラを愛してしまいます。」
と書いてありました。
あの解釈が正しいのを今回の演出ははっきり示したわけです。
澤村翔子さんに可憐なサントゥッツアをもう一度・・・

見果てぬ夢でしょうか・・・

その代わり澤村翔子さんは今回は美しいローラ

歌少ない。上手かったけど。演技もやっぱりこの人は上手い。
けれども、演出はまったく気に入りませんでした

冒頭、いきなりローラのベッドシーン


ナゼだ


この演出家はローラが美人妻であることにこだわったそうで、
しかも「白い衣装を着せようと思ったがシチリアの文化にはあわないので花嫁衣装にした」
(出所・・・どなたかのブログ)
とのことで、ローラにかなり思い入れがあるのは分かりますが、演出家は音楽に手を入れる事はできませんからあとは「ローラになにをさせるか」しか無いわけです。
そこで、観客にローラのあられもない姿を最初に見せて度肝を抜き、物語に引き込む・・・
その狙いは非常に効果絶大

私のような澤村翔子ファンにとって、
あそこでセックスしているのはローラではなく澤村翔子に見えるわけです

男に騎上位にまたがって、後ろにのけぞって前髪を片手で鋤きあげる・・・
澤村翔子って、あんなセックスするんだ・・・

狙いは当たりましたよ、演出家さん【田尾下 哲】
私はもうドキドキしていやーな気持ちがして、帰りたくなりました。

澤村翔子さんは、歌は本当にうまい。
伸びのある声、悪女役だけど魅力的という役どころも十分表現している。
【本当はローラは悪女ではない、という解釈もありあり】
肝心の花嫁シーン。
なんか、相手の馬車具屋の歌手が不釣り合いだなぁ。。
せっかく美しい花嫁姿をさせたのに、
ヴェールに隠された美しい化粧顔を観客側に見せないのは一体なんなんだ

あそこはステージの向きを逆にして、振り返った花嫁の顔を観客に見せるべきではないのか

美しい花嫁の素顔を見れるのは舞台上の合唱団員だけ、というのは、何を考えているのか、計算が甘いとしか言いようがありません。
あと、日本のオペラの歌手って、キスしないんだね。
振りだけ。
ホッとしたような、なんだか嘘くさくて白けたと言うか
役者ならそこまでしろ! ベッドシーンはしなくて良いが。
合唱団は非常に良かった。さすが二期会会員だもの、当たり前の上手さか。
けれど、サントゥッツアが泣いて舞台にうつ伏せに倒れる演技の繰り返しは共感できず。
みなとみらいの澤村翔子さんはそんなことしなかった。やはり池辺晋一郎ブロデュースという格の違いか

ローラが舞台の左から右へ歩いて横切るシーンは、
これから何をするのかと期待させたが、何もせずただ横切っただけ

詰めが甘いと思う。この演出。
もう一度見たい、澤村翔子のサントゥッツア

そういう公演でした。多くの人の書いてる事とまったく違うみたいだけど、私は18,000円の価値は無かった。
市民オペラの「カルメン」の方が、よっぽど感動がありましたよ。
プロ集団なのにどうしたのかと言いたい >>> 二期会
特に、馬車具屋の歌手! キャスティングした二期会は恥を知れ

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