鯨ベーコン | ふと、思うこと

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猫と美味しい食事で日々乗り切ってるアラカンおばさんの日常ブログです

小学校の給食に出てきた「鯨ベーコン」。
透明のビニール真空パックで、ハムみたいに何枚か入っていた。

鯨の竜田揚げの記憶がないので、我が母校では
めったに出なかったのかもしれない。

肉嫌いの私には、まだハムさえ無理な頃だったので
この鯨のベーコンが出されるとがっかりだった。
食べれるおかずがひとつ減るからだ。

向かいの席や隣りで食べる子が、好物だ、美味しいと言えば
喜んで自分の袋を差し出した。相手ももちろん大喜び。

先生の見張りで、同じ班の誰かに渡せない時や
班の中にそれほど好物な子がいない時には
ランドセルに忍ばせ、家まで持ち帰った。

これはこれで、今度は親父が大喜び。

こんな白と赤のペラペラのどこが美味しいのだろう?
しかも半分は白いのに。
特に脂身が苦手だった私には、この脂身ごと
美味しい、美味しいと食べる人の気が知れなかった。


それから色々な種類の肉類が食べれるようになった現在
今度は食べてみたくても、逆に高価で食べれなくなってしまった。
スーパーや肉屋などで気軽に買える庶民の肉ではなく
希少価値の高い、専門店にしかない高級品になってしまったのだ。

鯨ベーコンは未だに私には未開の代物。
でもあの半身が白い脂の時点で、私が食べることは一生ないだろう。

しかし、給食にまで使われていた安価な鯨が高級品になり
高くてめったにお目見えしなかった、牛肉が日常食材に
変わるなんて、この頃は予想だにしなかったろう。

食文化の移り変わりとは、本当に面白いものだ。