幸せがあると思うのが不幸の始まり(by みうらじゅん)
『よりみちパン!セ』という単行本のシリーズをご存知でしょうか。
元気のいい書き手が、中学生から大人まで読めるように
あるテーマを書き下ろす、志の高いシリーズです。
ところが版元の理論社が去年倒産しまして、宙に浮いた版権を、
このほどイースト・プレスという出版社が引き継ぐことになりました。
本日8月4日に、その復刊スタート記念対談があり、聞いてきました。
対談したのは反貧困活動家・湯浅誠さんと、慶応大教授の小熊英二さん。
ひいき目かもしれないが、湯浅さんは本当にクレバーだ。
そして小熊さんの本がなんであんなに厚くなるのかがわかった。
そのときに、『よりみちパン!セ』の目録+特別書き下ろしエッセイの
ちっちゃな無料冊子が配られました。
シリーズ筆者の数人がコラムを書いているのですが、
一番の名文はみうらじゅんさんだと思いました。
長さは他の人の3分の1ぐらいなのですが。
転載したら著作権侵害になるかなあと思いつつ、
無料冊子ですし、本の宣伝もすれば許してもらえるかな。下記が全文です。
みうらさんは京都生まれの仏像マニアで仏教ファン。
エロスクラップ芸術家でボブ・ディラン応援団日本支部です。
先ごろ出た『マイ仏教』は未読ですが、読んでみようかな。
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退屈はいけません
みうらじゅん
人生には若い頃と、そう若くない頃と、もう若くない頃の三段階があります。
それを誰しもが経験し、最終的には死んでいくわけです。
人生とはハッキリ言って、アッサリしています。
でも、ただ生きているだけではつまらないので人間は”幸せ”というものを
考え出しました。こうすれば幸せになれるとか、ああすればさらに幸せになれるとかそーゆー人生における目的です。いつの間にか人間は自らが考えた言葉なのに、幸せというものが本当にあると錯覚してしまいました。それが不幸の始まりです。
とにかく、退屈はいけません。退屈にならないように日々、心掛けること。
これが生きるということです。
生きると死にますがあまり気にすることはありません。
そもそも無だったのが無に返っていくことだけですから。
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「人生とはハッキリ言って、アッサリしています」。名言だな。
パンセシリーズの2大名著は、みうらさんの『正しい保健体育』と
西原理恵子さんの『この世でいちばん大事なカネの話』。
というか、この2冊+αしか読んでない。
マイ仏教 (新潮新書)
先ごろ新潮新書から出た『マイ仏教』。
街にある漢字の写真で、脅迫状のように切り貼りした般若心経
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