釈尊百景(5) お釈迦さまの足の裏・薬師寺の国宝仏足石
今週、駆け足で行ったお寺のひとつ、薬師寺について。
行くのはたぶん3~4回目で、お寺としては情緒がないのですが、
仏像の素晴らしさ・大きさ・迫力は、やはりたいしたもの。
お堂に光が差し込むように明るく設計されていて、
それが情緒がない反面、彫刻としての仏像がはっきり見える利点もありました。
「薬師寺」という名のとおり、薬師如来が有名なお寺ですが、
むしろ日光・月光の腰ひねり菩薩と、聖観音菩薩の人気が高いですね。
その薬師寺に、お釈迦さまの痕跡はあったかしら、よく覚えてないな、
と思って今回行ったら、そうそう国宝の仏足石がありましたよ!
ご存知のように、お釈迦さまには32相の身体的特徴があるとされ、
足の裏に模様があることになっています。
もちろん、人間・ブッダの足裏に模様があるはずもなく、
この32相は、仏教以前からあった架空の王様・転輪聖王の特徴が
流用されたものだそうです。
(いちばん面白い特徴は、男性器が股間めり込んで体内格納されている
というやつです)
仏足石は、お釈迦様の足裏の模様を石に写し取った線画です。
薬師寺の仏足石は、銘文によると753年に彫られた日本最古のもの。
インド鹿野苑(ろくやおん)にあった仏の足跡を、
唐の王玄策が写して帰り、長安の普光寺に置いたものを、
遣唐使の一人が写して平城京に持ち帰り、石に刻んだものとされます。
薬師寺のは、右は47.7cm、左は48.8cmというから、
ジャイアント馬場の32cmよりずっと大きい。巨足です。
鹿野苑で写しというからには実物大なのかと思いきや、
ブッダガヤの大菩提寺にある拓本は長さ77cmもあるそうで、
お釈迦さまの足は何cmだったのでしょうか?
足裏の模様は「瑞祥文7相」という7つの図案があって、
薬師寺のパンフに載ってたので後日、画像をアップします。
お釈迦さまのシンボル、法輪が刻まれてるのは当然として、
燃える月や、ホラ貝は、どういう意味なのかしら。
あと魚マークがあるのは、キリスト教みたいですね。
イエスの弟子たちは漁師ですし、古いキリスト教遺跡にいくと、
よく魚のマークがありますよね。
薬師寺では、この仏足石の左右に、お釈迦様の十大弟子が並んでいます。
2002年に奉納された新しい像で、カリッと筋肉質で写実的でした。
仏典にしょっちゅう登場するシャーリプトラさんや、アーナンダさんには、
どうもいつもお世話になってます、とご挨拶しておきました。
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