平成31年(サ)第2009号
(平成30年(ハ)第340号 受信料等請求事件)
原告 日本放送協会
被告 〇〇 〇〇【男性】
移送申立書に対する意見書
平成31年2月22日
被告訴訟代理人 司法書士
加陽 麻里布
富山簡易裁判所 AC係 御中
原告作成平成31年2月21日付けの移送の申立書に対する、被告の意見は、次のとおりです。
1 原告の移送申立て理由は、訴外女性氏が被告と同居している事実の有無と、受信設備設置者が訴外女性氏であるか否かが、本件訴訟の争点であると主張し、そして、その立証が、高度で複雑な事案であるから、富山地方裁判所への移送を申し立てていると解されます。
2 しかし、訴外女性氏が、被告と同居している事実や受信設備設置者である事実は、訴外女性氏の陳述書の提出と訴外女性氏への人証(証人尋問)で充分に立証される、低度で単純な立証である事は明らかです。
3 特に、被告が訴外女性氏によって立証しようとしている事実は、訴外女性氏にとって、自らに放送受信料の支払いという経済負担を強いられるので、訴外女性氏が虚偽の証言をする動機がみあたりません。よって、訴外女性氏の証人尋問は偽証の可能性が極めて低い証人尋問となることが予想され尋問時間も5分程度で済む簡易な証人尋問になることが見込まれます。
4 また、原告は、弁護士照会(弁護士法23条の2)や民事訴訟法第186条所定の調査を求めると言うが、具体的な照会内容や調査内容を明らかにしていません。おそらく原告は訴外女性氏の住民票や収入などを照会・調査しようとしているのでしょうが、そもそもそのような調査・照会は不要です。
5 よって、被告は本件訴訟の争点である訴外女性氏が被告と同居している事実の有無と、受信設備設置者が訴外女性氏であるか否かについては、簡易裁判所での審理で充分であると思料します。
6 さらに、被告は経済的な理由から代理人業務を弁護士よりも廉価である司法書士に委任しています。もし、本件訴訟が富山地方裁判所に移送された場合、司法書士は代理人として富山地方裁判所に出廷できず、被告はその経済的理由から弁護士に委任することは困難となり、再び本人訴訟に変更して富山地方裁判所での審理をせざるをえない状況になってしまいます。簡易裁判所で訴外女性氏の人証を司法書士が行うのと、地方裁判所で訴外女性氏の人証を被告本人が行うのでは、簡易裁判所での人証の方が高度な立証が出来ると思料します。
7 そして、本件訴訟は現在のところ事実審のみであり、法律審にはなっていません。よって、最高裁判所での審理を担保する必要もありません。
8 もちろん、原告が1軒の住居の中にテレビが1台のみ設置されている場合であっても、被告と訴外女性氏の両方に放送受信契約の締結義務がある(1台のテレビで2契約が必要という意味)と主張されるのであれば、被告も移送に同意いたしますが、今のところ原告はそのような主張はされていません。
9 よって、本件移送申立ては速やかに却下されるべきと被告は考えます。
以 上