訴 状
平成27年8月12日
さいたま地方裁判所 御中
住所(送達場所も同じ)
〒351-0033
埼玉県朝霞市浜崎1-1-31-710
原告 大橋昌信
電 話 090-6039-6088
FAX なし
〒150-8001
東京都渋谷区神南二丁目2番1号
被告 日本放送協会
代表者会長 籾井 勝人
放送受信契約締結義務不存在確認請求事件
訴訟物の価額 1,600,000円
貼用印紙額 13,000円
請求の趣旨
1 原告は、原告の現住所において、被告と放送受信契約を締結する義務が存在しないことを確認する。
2 訴訟費用は被告の負担とする
との判決を求める。
請求の原因
第1 当事者
1 原告は、ワンセグ機能付きの携帯電話を所有しているが、放送法64条1項に規定された受信設備(いわゆるテレビ)を設置していない個人である。
2 一方被告は、俗にNHKと呼ばれ、放送法16条によって設立された法人である。
第2 本件提訴に至る事情
1 原告は、仕事の都合で、平成27年8月2日より、同居の家族と別れ、現住所で一人暮らしをしている、いわゆる単身赴任生活者である。
2 平成27年8月2日より現在まで、原告の自宅(現住所)には、被告の放送を受信することのできる受信設備を設置していない。いわゆるテレビは設置していない。
3 そして、一部の場所でのみ被告の放送を受信することができると思われるワンセグ付き携帯電話を所有している。
4 原告が携帯電話を所有している目的は、電話機能を使って通話をする事と、インターネット機能を使って電子メールのやり取りをしたり各種ホームページを閲覧する事であって、ワンセグ機能を使っての放送の受信を目的としていない。もちろん放送の受信を目的としていないので、放送の視聴はしていないし、今後する予定も無い。
5 原告は、平成27年8月11日、上記条件で被告と放送受信契約を締結する義務が存在しない事を確認するため、NHKふれあいセンターに架電した。
6 原告の架電に対応したのは、〇〇と名乗る女性オペレーター(以下「NHK担当者」と言う。)だった。
7 NHK担当者は、放送の視聴が目的でなくても、ワンセグ付き携帯電話(以下「ワンセグ」と言う。)を所有しているだけで、原告には被告と放送受信契約を締結する義務があると説明した。
第3 放送法64条1項の解釈
1 放送法64条1項は『協会(原告注:被告を指す。以下、同じ。)の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送(音声その他の音響を送る放送であって、テレビジョン放送及び多重放送に該当しないものをいう。第百二十六条第一項において同じ。)若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。』と定めている。
2 原告が所有しているワンセグは、所有しているだけで、設置していない。つまり、ワンセグは常にある一定の場所に設置しているのではなく、原告が外出する際は、現住所以外の場所に持ち出しているので、ワンセグは、協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者には該当しない。
3 また、原告はワンセグで放送を視聴した経験がないので自分の体験ではないが、ネットや友人からの情報では、ワンセグはアンテナと繋がっていないため、放送が受信出来る場所と受信出来ない場所があると聞いている。
4 さらに、放送法64条1項のただし書きは、『放送の受信を目的としない受信設備のみを設置した者については、この限りでない。』と規定しており、仮に原告が所有しているワンセグによって、原告が『協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者』と認定されたとしても、原告は『放送の受信を目的としない受信設備のみを設置した者』であるので、被告と放送受信契約を締結する義務はない。
第4 訴訟物の価額を160万円とした理由
(1)放送受信契約の締結により、被告には定期金の債権が生じる、そして、定期金の債権から2ヶ月ごとに派生される定期給付債権が具体的な債権額となる。
(2)つまり、放送受信契約は、解約まで2ヶ月ごとに定期給付債権を生み出すので、訴訟の目的の価額を算定することが極めて困難なものと言える。
(3)よって、民事訴訟費用等に関する法律4条2項『財産権上の請求でない請求に係る訴えについては、訴訟の目的の価額は、160万円とみなす。財産権上の請求に係る訴えで訴訟の目的の価額を算定することが極めて困難なものについても、同様とする。』により、訴訟物の価額を160万円とした。
第5 結語
よって、原告は、請求の趣旨記載の判決を求める。
付属書類
1 訴状副本 1通
2 法人登記簿謄本(現在事項全部証明証) 1通