「手話は言語」という説があります。
間違いではありません。手話は言語だと思います。
ところが、実際どういった所で使われるのか?それはやはり、福祉現場が多い。
福祉事務所に、ろう者、盲ろう者、難聴者、来ますよー。なお、「筆談でやれば、良いじゃないか?」という話があります。
難聴、中途失聴の人たちならともかくも、ろう者、盲ろう者の場合、筆談はちょっとしか使えませんよ。日本語、あまり得意ではないんですよ。なお、盲ろう者の場合は、弱視の人も多いので、サインペンで大きく書いたり、ルーペを使ったりして、紙を渡したりしますが、元々ろうあ者の場合、日本語が得意ではないんですよ。
「盲ろう者って、どうやって手話を読むの?」それは、触手話と言って、手話を触って読みます。
次に、某市にて働いていた時の、触手話使用の盲ろう者の話を書きたいと思います。プライバシーがあるので、イニシャルにします。
Nさんはろうあ者で弱視、長いこと都営住宅に住んで生活保護を受けていました。
ところが、都営住宅が建て替えとなり、Nさんは話が通じないので、Nさん宅だけ、残ってしまいました。Nさんが言うには、「引っ越すと一部屋になる。今は二部屋で荷物もあるから、引っ越したくない」という意見でした。
それで、市役所で手話ができる人物が私しかいなかったので、通訳をしました。盲ろう者団体の職員も呼んで、交流会に参加してもらったり、通訳者とつなげたりしました。それで、Nさんの生活も、だんだんと変わってゆきました。私は、ものすごい感謝されました。
そこで、「当市は手話通訳者が少ないが、隣の市は、通訳者が多い」と説明したら、二つ返事で「引っ越す」という話になりました。市役所にも、手話通訳者が待機するようになり、聴覚障碍者対応が、良くなりました。
それは良いのですが、今まで、市役所は、何をやってたんだろうか?
私は契約社員だったので、辞めてしまいましたが、障碍者の情報保障って、大事ですよね。福祉系大学で手話を教えて、福祉現場で、より手話の使える人たちが増えますよう、祈っています。