無題 | ソーダ水の夏
待ちくたびれて
あくびをすると

金色の釦がころりところがった
足元の黒猫は愕いて
背をふくらませて何処かへ
いってしまった。

ちょうど欠けていた何か
もやもやとした傷に
金色の釦はぴたりとはまって
12時の鐘が鳴る。

いいことの起こるタイミングと
悪いことの必然性は
夜中に見るナンセンスな夢ほどの
無秩序な迷路です