ハノイには夜のエンターテイメントが無いという。
そこで最近話題に上がるのがトンキンショウ。
トンキンと聞くとトンキン湾をイメージする人が多く、ハロン湾の何処かで行うエンターテイメントかと誤解される。かく言う筆者も当初そのように理解した。
そこで思い出した。
トンキンとは漢字で書くと東京、昔のハノイの地名。日本の東京より遥かに昔の時代。
その時代のエンターテイメントとして有名なのがハノイを代表する伝統芸能、水上人形劇だ。
ホーチミンで見たことがある、とハノイの人に言うと、それは本物ではない、と即否定された。
今回のハノイ出張、ワイフも同行しているので一応観光的なものも見せなければと、トンキンショウを見に行ってきた。
トンキンショウのチケットには往復送迎付、食事付、等があるが、折角なので天福寺観光・食事付で特別にアレンジしてもらった。
トンキンショウの送迎を利用する場合の集合場所は、元ホアロー収容所跡に建っているビジネスビル、ハノイタワーのロビー。
現在のホアロー収容所の後ろに見えるのが跡地に建ったアパートとビジネスビル。
ハノイの中心地から東に約25Km、西の端から10Kmの郊外に11世紀創建のベトナムで最も古い仏教寺院の一つ、天福寺(Thay Pagoda)がある。 通称タイ寺。
そこのお坊さん、トゥ・ダオハンは皆さんから慕われていたとてもマルチタレントな方で、発明家でもあり、医者でも会った彼は水上人形劇の創始者としても知られています。
その天福寺の前に大きな池があり、その中に2層のパコダが建っています。そのパコダで一年に一度、第三の満月の日に地元の農民たちによって水上人形劇が行われます。
この天福寺、創建から一度も建直しされていないそうで、歴史的価値は見ただけで十分伝わってくる。
建物自体だいぶ傾いているが、まだ頑張っている、という状態。
このお寺にボランティアのガイドさんがいて一生懸命に解説してくれる。
内容はトゥ・ダオハンがいかに偉かったかということ。
彼は今即身仏になっており特別な時に公開されるそうだ。
この後ろのケースに偉いお坊さんの即身仏が収められている。
その由緒あるお寺がある村にバアァランドという一大ウォーターアミューズメントパークがあり、その一つにクインテセンス・オブ・トンキンがある。
これを通称、トンキンショウと呼んでいるのだが、これが中々のセンスあるショウで7時半から1時間、タップリとベトナム最新の伝統芸能を楽しませてくれる。
http://www.thequintessenceoftonkin.com/
ベトナム北部には海水浴を楽しむビーチにあまり恵まれていないようで、人工ビーチが子供にも大人たちとっても大人気のようだ。 もう夕暮れだが閉館までぎりぎり遊ぶ子達だ。
バアァアランドの人工ビーチとウォーターパークは規模が大きく子供用、大人用と分かれているのだろうか。
日も沈みかけの夕方近くだったので賑やかさは一段落といったところ。
日本から連れてきたイルカ2頭を含むイルカショウ。日に2度行うそうだ。
中を見せてもらおうとしたけれど、既に今日のショウは終わり。
日本語でイルカに声を掛けると反応してくれるのだろうか。
隣接するホテル、ラ・パズで夕食。ベトナム料理を西洋料理風に頂く。
お洒落なビラタイプのホテル。
ボリュウムタップリの夕食で味もまずまず。
他に日本人カップルや、着飾ったアメリカの女性が同じ部屋で食事し、欧米各国からの団体さんも別室で食事をしていた。お目当ては皆さんトンキンショウ。
トンキンショウは期待を裏切らないはず。
水上人形劇にとって由緒ある地で、人形の代わりに人間が水上劇を演じる。
大きな池の中で、200人以上の出演者が演技を繰り広げる。
150人は近所の農家の方々でオープン前1年以上トレーニングをしていたとか。
タイ寺のパゴダが水中から登場してくる。
とても美しい女性たちはプロの踊り子さん達で、充分見ごたえのある演技をしてくれている。
野外オペラ、トゥーランドットを想起させるような舞台設定もあって驚いた。
レーザー光線での演出も素晴らしく、音と光の一大ページェント。
周囲全体にレーザー光線が当たり、タイ寺の浦山も舞台背景に一つになっていてその規模に圧倒されるが、カメラに収め切れずだった。
後で気が付くと、撮影は一応禁止らしい。
1時間のショウはアッという間。
このショウにはストリーがあるらしいのだが、見栄えだけで圧倒されて感動してしまったので、次回はストリーをきちっと読み込んでらか見るとしよう。
ハノイの夜は実に有意義に過ごせる。