それは夏が終わる直前の頃やった。
大切な人との別れは
突然訪れた。
僕の家に来た彼女は
言わんといけん事があると言い
「好きな人がおる」と
別れを告げられた。
かっこ悪いとわかっとりながらも
めちゃくちゃあがいたが
その相手との
やり取りを聞き
既に終わっていた事に気付いた。
5年を超える長い交際は
むちゃくちゃな音をたてて
崩れさった。
彼女もすごくつらかったんやと思う。
そんな中でも
僕が会社を抜けるまで
寄り添ってくれた事に
とても感謝している。
生きる事をあきらめんで
片付けられたし
絶望から抜け出せる力を
僕にくれたから。
大切な人を失った僕は
心にぽっかりと
大きな穴が空いた様な感じやった。
それでも救いになったのは
話を聞いてくれる
友達がいた事やった。
彼女とも仲が良かった
ゆうちゃんに
話を聞いてもらった時は
張りつめとった気持ちが
爆発して泣いてしまった。
泣くいうより
嗚咽というのが
正しいかもしれん。
初めて人前で泣いた。
それくらい大切やったんやと
後から気付いた。
そして
二人で行く予定やった花火を
一人で見に行った。
その花火大会は
毎年夏の終りに開かれる。
この日の花火は
今でのに比べて
明るかった様な気がする。
それだけ
僕の心のぽっかり穴は
暗かったんかもしれん。
夏の終りを告げる花火は
いつもにも増して切なく
そして綺麗やった。
投稿/2009年03月29日(日) 01:04