仇敵:池井戸 潤

テーマ:

エリートバンカーの恋窪商太郎は、いわれなき罪を着せられ東都首都銀行を辞職、地方銀行の庶務行員となって静かな日々を過ごしていた。元同僚・桜井からの電話に出るまでは。その翌朝知らされた、桜井の死。一体何をつかんだのか。忘れたはずの過去が蘇り、恋窪はやり遂げられなかったあの男への復讐を誓う。


本作は、メガバンクを辞職したエリート銀行マン・恋窪商太郎が、別の銀行へ就職。庶務行員という、これまで働いていた職種とは、一段下の職種に就いて、ある意味「昼行灯」のような生活を送っています。そこへ前銀行時代でライバルとしてシノギを削ってきた、桜井から電話が入り、話したいことがあるという。ライバル時代では考えられなかった、恋窪への電話を不審に感じ、待ち合わせるも桜井は謎の死を遂げてしまう。死因は、自殺。ありえない。恋窪は、自分が前職時代に切り込んだ銀行の闇に触れてしまったがために、桜井が消されたのではないか、そう考えみずから前職で辛酸を舐めさせられた「仇敵」に立ち向かっていきます。


長編ですが、1話完結のような形式です。毎度、同僚の若手行員・松木からもたらされる無理難題を恋窪が相談に乗ってひとつずつ解決していく、そんなストーリーです。その過程で、幾度も事件に関係してくる仇敵・峰岸と中島。恋窪の行動が徐々に相手を追い詰めていく展開はスリルがあって面白い。ですが、恋窪の打つ一手一手が、うまいこと行き過ぎでご都合主義感がなくもない。全体的には、勧善懲悪的ストーリー。爽快感があります。


オススメ度 ☆☆☆



仇敵 (講談社文庫)/講談社
¥620
Amazon.co.jp

仇敵/実業之日本社
¥1,785
Amazon.co.jp