数年前まで女子高だった高校に転入した少年、岸嶺健吾。周囲が女子ばかりというハーレム環境にもかかわらず、人付き合いの苦手な彼は、唯一の趣味である読書に没頭し、静かに暮らしていた。しかし、いままで無縁だった部活動に参加することになり、彼の高校生活は波乱万丈なものへと変わっていく・・・。
彼が入部したのは、現代遊戯部。つまりは、ゲーム部。美人生徒会長や変態教師という心強い仲間に支えられ、岸嶺は思わぬ才能を発揮するのだった。
平凡だった一人の少年の、刺激的なゲーマー人生が、いま幕を開ける!


ソフトメーカーやハードメーカーに監修してもらって、割とまじめに書いているラノベがあると聞いて、読んでみました。『僕と彼女のゲーム戦争』です。


あらすじのとおり、読書が死ぬほど好きな根暗な少年、岸嶺が転校を期に、部活動を始めてハーレムするというストーリーです。ハーレム設定自体は最近のラノベでは珍しくなく、あまり好きではありませんが、内容はなかなか。

彼には一つだけ特技があります。特技と呼ぶのかわかりませんが、読んでいる本の主人公になりきって、本の中に入り込む、ということ。つまりは、とんでもなく集中力を発揮して、廻りの声など一切聞こえなくなる、というものです。これをゲームに活かしていくわけですね。

本シリーズでは、毎回なんらかのゲームがテーマとして取り上げられます。結構幅広いです。導入では、『アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団』のOPを採用。そのあとも、往年の高難易度ゲーム『スペランカー』、『ギアーズオブウォー』など最近の作品まで。
プレイしたことのないゲームもありますが、昔懐かしいゲームがでたらにやっとしてしまいますね。
プレイテクニックや裏話まで、メーカー監修ということで、なかなか濃い内容になっていますので、ラノベという部分を差し引いても、結構楽しめます。




僕と彼女のゲーム戦争 (電撃文庫)/KADOKAWA / アスキー・メディアワークス

¥価格不明
Amazon.co.jp

AD
13時13分13秒、街から人が消えた。無人の東京に残されたのは境遇も年齢も異なる13人の男女。なぜ彼らが選ばれたのか。大雨と地震に襲われる瓦礫の山と化した街。そして生き抜こうとする人達の共通項が見えてくる。世界が変われば善悪も変わる。殺人すらも善となる。極限状態で見えてくる人間の心理とは。


東野氏のあたらしい文庫が刊行されています。

あらすじからも分かるかもしれませんが、本作はSFチックな導入から始まる物語です。
13時13分13秒に”ある現象”が起こる、ということが世界の科学者たちの間で実証されたところからストーリーは始まります。
各国の首脳陣は、そのレポートにしたがって、その時間は危険な行動はとらないように、と指示を出しますが、首脳陣もその理由や内容が理解できていないため、曖昧な指示になってしまいました。

きたる13時13分13秒。
地球から生物が消えた・・・?

主人公、久我冬樹は警察官。犯人確保の途中で意識が暗転し、周囲にいたはずの人たちが全て消えてしまいました。呼びかけに応じたのは13名。
電気もガスも水道も止まってしまい、地震が断続的に続く東京で、13人のサバイバル生活が始まることになります。

切り離された世界、とくれば殺人でも起こるのかと思っていましたが、本作は純粋なSFファンタジー。苦労もあるけど、がんばって元の世界にへ戻ろうね、というやつです。設定はラノベみたいな感じですけど、氏が書くとそこそこリアルに感じられるのが不思議です。

今回もキャラクターたちが魅力的なので、話がいまいちでもやり取りや行動が面白くて、あとを追ってしまいます。エンターテインメントとしては良くできたお話だと思いましたけど、この設定ならラノベのほうが面白いかも。けして、面白くないわけではありませんが、本格的なSFを読みたいなら他の本を読んだほうがいいです。たぶん。

オススメ度 ☆☆☆



パラドックス13 (講談社文庫 ひ 17-32)/講談社

¥896
Amazon.co.jp

AD

実力派バリスタが集結する関西バリスタ大会に出場した珈琲店<タレーラン>の切間美星は、競技中に起きた異物混入事件に巻き込まれる。出場者同士が疑心暗鬼に陥る中、付き添いのアオヤマと犯人を突き止めるべき奔走するが、第二、第三の事件が・・・。バリスタのプライドをかけた闘いの裏で隠された過去が明らかになっていく。コーヒーは人の心を惑わすのか、癒すのか―――。

美星の名推理が光る!



岡崎氏の珈琲店タレーランの事件簿シリーズ、第3作が刊行されています。

本作は、日常系ミステリと呼ばれるカテゴリに分類される、”人の死なないミステリ”だと思っています。本作に関しても血なまぐさい事件はおきませんが、ちょっとした事件(異物混入事件)が発生し、事件の解決に向けて、主人公アオヤマとバリスタ・美星が腕を振るうというストーリーです。


三作目なので、物語の雰囲気やキャラクターは通じています。前作の感想にも書いたような気がしますが、日常系ミステリということで、大事件は起こらないためか、どうしてもスケールの小さい話になってしまう点で、読み手の判断は分かれそうな気がします。イジワルな言い方をすれば、事件がしょうもない。


ですが、今回は、バリスタが集まる関西バリスタ大会中の異物混入事件、ということで割りと大きな風呂敷を広げてきたなー、という印象を持ちました。気になった点が少し解消された気がします。


フーダニット・意外な結末・トリックなど、ミステリ的要素を抑えたオーソドックスな作品です。これは美点ですが、人が死なないのでそういう本が苦手な人でも割りと安心して読めると思います。

毎回コーヒーに絡めたネタなので、そろそろ尽きてくるんじゃないかといらぬ心配をしてしまいますが、アオヤマと美星さんの関係もなかなか醸成されてきたので、そのあたりも読みたいなーと思いつつ。



オススメ度 ☆☆☆☆



珈琲店タレーランの事件簿 3 ~心を乱すブレンドは (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)/宝島社
¥702
Amazon.co.jp


AD