「チャプリンの独裁者」という映画はヒトラーをパロディーにしたもので、実によくできた作品。
ところがこの映画はその当時、ドイツの人たちに触れることはなかった。
イギリスの対独宣伝相だったのは、外交官であるよりもSF作家として有名なH・Gウェルズ。
透明人間、タイムマシン、世界はこうなる、宇宙戦争など短編とはいえ、公務員をしながら150を超える作品を世に残したこともさることながら、ドイツの原爆開発などを既に予見していた慧眼には驚くばかり。
そのウェルズはチャプリンとの親しかった。
そこでチャプリンに「独裁者」の企画を持ち込んだのではないかというのが、私の推論。
クーリエ・ジャポンCOURRIER JAPAN(講談社)2月2日号「世界が見たNIPPON」の記事は、世界各地の映画祭に出品され話題を呼んだアレクサンドル・ソクーロフ監督の映画「太陽」について。
映画に娯楽とリラックスを求める人は暗い映像やゆっくりしたリズム、そして見せ場が注意深く取り除かれていることに困り果てるかもしれない、とする。
から、ハリウッド映画のような楽しいエンターテイメント性のある映画であることを期待させない。
しかし同時にこのよく練り上げられた非凡で類まれな映画に圧倒されることだろう、とする。
から、きっとすごい内容なのだろうと期待を持たせる。
ところがこの映画は日本で未公開。
理由は「昭和天皇ヒロヒトの晩年の日々をテーマに扱っている」から。
日本でもチャプリンの独裁者は戦前見ることはできなかった。
映画は大衆洗脳、世論操作の道具にされてきたし、未だそうしている。
