春になると色んな鳥がわが家の庭に遊びに来ます。
この時期は鳥の鳴きまね名人のモッキンバードが早朝から「のど自慢大会」を開催していて、その歌声はなかなかのものです。
ハチドリも春になると庭のお花の蜜を目当てにたくさんやってきて、さながら「ハチドリの庭」のように。エキウム、ハニーサックル、ブッドレア、ブーゲンビリア、ランタナが特にお気に入りです。ハチドリを惹きつけるとは知らずに植えたんですけどね。。
ハチドリはお庭のあちこちで巣作りしているようですが、観察しやすい場所はリビングの窓に添わせるように植えたスタージャスミンの中。去年もここにハチドリは巣作りをして卵も産まれたのに、ある日を境にお母さん鳥が来なくなって大変かわいそうなことになりました。
考えられる理由はお隣の猫のポンちゃん。巣の動きが見える位置に陣取っていたのでハチドリママが怖れをなして巣に寄り付かなくなってしまったようでした。
あれから一年。
夫が先月半ばに「リビングのすぐ外にハミーの巣があるよ！」と興奮気味に教えてくれました。ハミーはハチドリの英名、ハミングバードの愛称です。
写真中央にある巣が見えますか？
去年は巣を作るところから観察していたのですが、全部お庭で採れるものを調達していてとても微笑ましい。藤の枝なんかもくちばしで上手につっついて好きな長さに加工するんです。一回に運べる量が少ないので少し作ってはまた資材探しへと巣への往復が目まぐるしく、かなりの重労働でした。倒れてしまわないか心配になるほど。。
ある程度形が出来ると、くちばしにつけたノリのようなもの（くもの巣なんかを使うんですって！）を表面に塗ってそこにカモフラージュ用の草や庭の柱の緑色の塗料も使っていました。ペンキは剥がれてたんよね！？それとも剥がしたん？
これは去年、お庭の別の場所から巣立っていった後に落ちていたハチドリの巣です。
藤棚の緑の塗料をとても上手に使ってますよね。裏側は白なのでところどころ白いけど。
中は羽毛の一番柔らかいダウンのようにふわふわで、これもう五つ星ホテルの高級ベッド！（笑）クチバシしか使えないハチドリが一羽でこれだけのものを完成させるなんて感動的です。
さて、こちらは窓の外の巣の上にはママ鳥がちょこんと座って卵を温めている先月の写真です。とても警戒心が強いのでこの時期にはこの一枚だけ。もしここが危ない場所だと判断したらまたいなくなって大変なことになるのでなるべく近づかないようにしていました。
10日ほどしてひな鳥が二羽いるのが家の中から見えました。早口言葉で「ウラニワニワ、ニワ、ハチドリがいる」とか言ってみたけど、こういうのは夫には全く通じなくて、「へ？」と言われました。笑って～
お母さん鳥は最初はよく蜜をあげにきていたのに、だんだん姿を見かけなくなってきました。
もしかして育児放棄？ 日に何度も何度もソファーの上によじ登って様子を見ますが、お母さんは来ていない。。私たちが何とかする？？
そんなある朝、夫が起き立ての私に何やらこんなことを話していて、、
I just looked up about Hummingbird feeding.
At this point the mother bird doesn't need to feed them as often.
It's better if we don't do anything.
今ハチドリについて調べたけど、お母さん鳥は最初ほど来なくても大丈夫らしいよ。
僕たちは何にもしない方がいいんだって。。
説明してあるウェブサイトもEメールで私に送ってくれたとか。
自分から朝早く調べるなんて、彼も余程気になっていたんですね。。
今週月曜の夕方にやっとお母さん鳥が餌をあげているところが見れて一安心。
家の中からは栄養補給したひな鳥二羽が元気に動いているのが見えました。
それなのに外に出て行ってカメラを向けるとこの子たち完全にフリーズするんです。
ウサギのフリーズよりも本格的で、もう微動だにしない。見事な防御本能です。
ある時はこんな感じで、
また別の時はこれ。
あまり緊張させるのもかわいそうなので私はツルバラの撮影でもして警戒心を解く…
この後そろ〜っとハミーの方を見ると、二羽とも大きく動いていました。
ちょっと、ちょっと、そんなにブンブン動いたらあぶないですよ〜
毎日暇さえあれば家の中から巣の中をのぞいていました。
そして今朝、夫からの報告があり、
「朝早く一羽巣立って行ったよ！一度戻って来たのを見たんだけどまた行っちゃった」
え〜〜！私もお別れがしたかった〜
遅起きは一文の徳にもならへんかった。。
でも今日はとってもいいことがありました。
外で藤棚の柱の陰でじっとカメラを構えていた時に（今度は私がフリーズ！）ママ鳥がやって来て、残った一羽にクチバシ伝いに餌をあげるところを映像に収めることができました！
なんて、麗しい子育ての姿なんでしょう。
ママは周囲を何度も見て、安全を確かめてから蜜か昆虫を与えていますね。
この子が巣立つのも今日、明日中でしょうか。
やっぱりちょっと寂しいなぁ。。
でもお庭のどこかできっとまた会いましょうね！
生命の誕生や生育過程は神秘的で、命を育てている姿は優しさに満ちていますね。