1 良い戦略は、重要な一つの結果を出すための的を絞った方針を示し、行動を組織する。
戦略を立てるときは「何をするか」と同じくらい「何をしないか」が需要である。
2 自社の強みと弱みを見極め、状況のチャンスとリスクを評価し、自社の強みを最大限に活かす。
3 悪い戦略 誤った発想とリーダーシップの欠如
・空疎である
・重大な問題に取り組まない
・目標を戦略と取り違えている
・間違った戦略目標を掲げている
4 悪い戦略を生む源泉
・困難な選択を避ける
・穴埋め式チャートで戦略を作る
・成功すると考えたら成功すると信じる
5 戦略の基本構造
・診断
何が起きているかを明らかにする
・方針
難局に立ち向かう方法を固め、他の選択肢を排除する
・行動
具体的に何をすべきかを明確にする
6 レバレッジ
良い戦略は、知力・エネルギー・行動の集中により威力を発揮する。
テコ入れ(レバレッジ)を実現するためには、エネルギーやリソースの効果を数倍に高められる様な「支点」を見つけなければならない。
状況を的確に見る目が隠れた強みを現実の競争優位に変えて行く。
7 実現可能な目標設定
目標は梯子を登るようなもの。
最初の段にしっかり足をかけないと、次の段に上がることはできない。
何に取り組めば良いのかを曖昧なままにして、むやみに高い目標を掲げてしまうことが多い。
近い目標を設定して、チームが動けるようにすることがリーダーの大切な使命である。
8 鎖構造
企業や経済は、鎖のように繋がった構造になっている。
鎖一つの単位が個別運営されていると、システム全体は十分な機能を発揮できず「質的不整合」を起こす。
まず、ボトルネックを見つける。
そして短期的な損失覚悟で、将来の投資に対する覚悟を決める。
強力なリーダーシップにより巧に鎖構造を作り上げれば、持続可能な戦略優位となりうる。
9 設計
有能なストラテジストは、決定ではなく設計を行う。
マネージャーが意思決定者とすれば、ストラテジストはデザイナーといえる。
良い戦略は、様々な方針や行動をコーディネートして目標を実現し、困難を乗り越える。
10 フォーカス
・自社の方針や行動をコーディネートして、相互作用やオーバーラップ効果により大きな力を生み出す。
・適切なターゲットに一点集中する。
戦略の要諦はフォーカスにある。
11 健全な成長
合併等による人為的操作により実現できるものではない。
企業成長の要因
・独自能力に対する需要増
・優れた製品やスキル
・イノベーションや知恵や効率や創造性の見返り
12 優位性
・競争優位を深める
価値とコストの格差を拡大する
・競争優位を拡げる
新しい分野、新しい競争市場へ進出する
・優位な製品・サービスに対する需要を増やす
希少リソースが安定的な競争優位を支える
・競争相手による模倣を阻むような隔離メカニズムを強化する
特許、商標登録、著作権等で保護する
13 ダイナミクス
変化のうねりは既存の競争環境を覆し、かつての競争優位を消し、新たな優位を生み出す。
変化のダイナミクスは表面的な現象に捕われず、原動力を見極めること。
14 慣性とエントロピー
組織にとって最大の問題は外から来る脅威ではなく、内部のエントロピーと慣性である。
組織は、長い間に必ず秩序が緩み焦点がぼやけてくる。
15 戦略思考
・近視眼的な見方を断ち切り、広い視野を持つ。
・自分の判断に疑義を持つ。
・重要な判断を下したら、記録に残す。