「えーっ? もしかして、ユノさんとチャンミンくんって、一緒に住んでるのっ!?」
「一緒に住んでるっていうか・・ コホッ・・ 僕が居候させてもらっているだけで・・・」
まわりを見事に女性ばかりで固められた中心人物、ヒョンが
不用意に発した言葉により、さっきの質問を呼ぶことになった
ーー チャンミン、冷蔵庫にあったイチゴ、食べたから
どうしてここで、そんなことを言うかなぁ?
キッと睨みつけるも、フイッと視線を外された
「新しいとこ、まだ見つからないのか?この間もなかなか、って言ってたけど
条件厳しいんじゃないのかぁ?」
ビクッ
せ、先輩っ!?
「そ、そんなことないですよっ たまたま、いいところが見つからないだけでー」
「・・・ さがしてるんだ?」
「え・・?」
初めて目が合った・・
「ま、まぁ・・ 一応・・コホッ・・コホッ・・」
「そりゃそうだろ~、ユノ!俺だってお前の所にって頼んだ手前
いつまでも申し訳ないって思ってるよ
そうだ、チャンミン!今度俺がー」
「すみませんっ 先輩!僕、ちょっとー コホッ・・」
トイレへー と、席を立った
「そういえば、もうだいぶんなるよな?ユノが彼女と別れてー」
背中越しに、先輩がヒョンにそう話しかける声に、一瞬足が止まった
「ん?・・・ あぁ、そうだな」
「じゃあほんとにユノさん、今、彼女いないんですかぁ?」
可愛い声が、じゃれるようにヒョンに質問した
ドクンッ・・ ドクンッ・・
「そうじゃなきゃ、こんなとこ来ないよな?」
答えたのは、ヒョンじゃなくて先輩だった
そうだよな・・
合コンって聞いて、ここに来る理由なんて、ひとつだ
ヒョンの声もー
ヒョンのまわりでじゃれる可愛い声もー
先輩の声もー
あ~・・ 頭が痛い・・・
「・・・え?」
「だからぁ~・・ これからアタシと2人で抜けない?って言ってるのぉ~」
トイレから出てきたところで、ひとりの女性に声をかけられた
あ~・・ さっきの席に一緒にいたかも・・?
くらいの記憶しかない
「・・ 抜けるって・・コホッ・・コホッ・・ 僕と? 君が?」
「そうっ!アタシと、あなたが!」
「・・ ナンデ?」
「なんで??なんで、って?あなた、合コン来たんでしょっ?
アタシ、貴方に一目惚れしたのっ!!」
「僕はしてませんけど・・?コホッ・・」
「・・ヒドイ・・ そんなこと、普通、言う?」
「すみません。・・コホッ、コホッ・・ 僕、あまり慣れてなくて・・」
「きゅーーんっ・・いいっ!!そういうとこも可愛くていいっ!!
ねっ?ますます気に入っちゃった!とりあえず私とー」
ぐいっー
突然、後ろから誰かに引っ張られた・・
僕を見上げているくりくりっとした目がさらに大きく見開かれて
その口はあんぐりと・・・
ぽふっ・・
誰かの腕の中に入ったと思ったら
後ろから回ってきた腕が僕の額に当てられ
「・・・ やっぱり熱があるな」
耳の後ろから聞こえてきた声
僕の・・・
よく知っている声・・
「話してるとこ悪いけど、こいつ、連れて帰るからー」
「え?でもっ・・ 2人が帰っちゃったら人数が・・」
あんぐり開いていた口が慌てて何か喋りはじめた
という認識がやっと・・・だ
ーー やっぱり熱があるな
さっきのヒョンのセリフが僕を一気に病人へと追い込んだ
僕はもうー
ヒョンに寄りかかるように身体を預けていた
「見てわかんない?こいつ、熱出してるし・・
さっきからずっと咳、してたでしょ?病人だよ?」
僕のこと・・・ 見ていてくれたんですか?
あんなに目が合わなかったくせにっ・・
「・・・ ですよね、・・ 顔、真っ赤ですもん・・」
真っ赤・・!?
「コホッ・・コホッ、コホッ・・」
「じゃあ悪いね、そういうことでー」
僕を抱えるように身を翻して彼女に背を向けると
その視線が僕の目を見つめた
いや・・
僕が見つめたのかもしれない・・
「えっ?でもどうしてあなたがっ・・?私っ、一緒に行って看病をー」
かっ、看病っ?
僕のっ!?
僕たちの背中に食い下がる彼女の質問に
立ち止まってヒョンが振り返った
「・・・聞いてたよね?オレ、こいつと一緒に住んでるから」
「あ・・ はい、それはわかってますけど・・・??」
「wwwwww」
・・・・ 笑っちゃいけないだろうけど
なぜだか、笑いがこみあげてくる
彼女とのやりとりに、悪戦苦闘しているヒョンが可笑しくて・・
愛おしくて・・
「・・ いーから、もう席に戻って!俺たちは帰るからっ!!」
「・・・・・」
彼女はまだ何か言いたそうだったようだけど
それ以上何も言わなかった
僕たちは歩いて店を出る
「・・あ!でもヒョン・・ 僕、お金・・」
「ダイジョーブ、おまえとオレのぶん、払ってきたから。」
「え?じゃあ、最初からー?」
2人で帰るつもりであそこに?
「ほら!タクシー来たぞ?乗れっ」
ヒョンの高く上がる左手によって止まったタクシーに
ドアが開くや否や乗せられる
「すみません、あとで払いますから・・」
「そんなのいいから。・・気分は悪くないか?
着くまで寄りかかって寝てろ」
肩の後ろから回された手が
僕の頭をヒョンの肩へと優しく導いていく
・・・・・ 照れます
僕はヒョンの肩にもたれかかり
ゆっくりと目を閉じる
ぽんぽんっと・・
ヒョンの手が優しくそのまま僕の頭を撫でる
「・・・ はぁ~・・危なかった~・・・ なんなの?あの子・・・
しつこすぎるだろ
俺がもう少し遅かったら絶対お持ち帰りされてたぞ?
・・ったく・・
無防備すぎるんだよ・・」
・・・・・ !?
肘ついて窓に向かってしゃべってるけど
全部聞こえてるんですけど!?
僕が寝てると思ってます?
「・・・ どっちが」 ぼそっ
「うえっ!?」
ビクッと肩が驚きで揺れた
僕の頭にのせていた手が一瞬 離れる
「起きてたのっ?」
「・・・ ずいぶん、女性に囲まれてましたけど・・
コホッ・・僕なんかと・・ コホッ・・帰ってよかったんですか?
コホッ・・コホッ・・好みの人は・・ コホッ・・いなかったんです?」
「・・ 好みのひと・・?」
「ええ・・ コホッ、コホッ・・」
合コンと聞いて、慌てて来たくらいなんだから
彼女・・・ 欲しかったんですよね?
気になる・・・
けど、聞きたくないような・・・
いや、でもここはちゃんとー
って、何を考えてるんだ?僕は・・・
「やっぱり、言わなくていー」
「いたよ。」
「え・・?」
「好みのひと・・ ひとりだけ、いた」

(画像、お借りしました。)
いた・・・ んだ・・?
あの中に・・?
「だったらごめんなさいっ!!・・僕がっ・・ゴホッ・・ゴホゴホッ・・」
「もーいいから、お前は黙って寝とけ!」
ぐいっー
さっき離れた手が、もう一度僕の頭をヒョンの肩へとのせていく
ぎゅーって・・
あぁ~・・
そうかぁ~・・・
いたんですね・・・
じゃあ・・・
僕へのアレは・・・
そうかぁ~・・
ヒョンの手
気持ちいぃ・・・ なぁ・・・
つづく・・・
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
はい、ずいぶんとお久しぶりになりましたが
いかがでしたでしょうか?
憶えてました?
このお話・・・
私、大好きなんです
『東京タラレバ娘』、いわく
もう、からっからに枯れ果てているんですけどねっ ←
そんなやつが書いても萌えきゅんなんてできないでしょうけどねっ ←
そこは、うーーんっと開き直って自己満足に走る私であります!
あと、私の原動力になっていますのが
たっきぃ様のポストカードです
パソコン横に飾っている彼らを見つめながら
カキカキカキカキ・・・
必需品でございます
いつも本当にありがとうございます