前回の記事は、こちら─、
『 メディアの報道は、実は "風の便り" と大差なかった!』
同様の理由から─、
成功者たちや、偉人たちの言葉を、
安易に引き合いに出すのも要注意だ。
そのような突出した人物たちが、どういった、
前提や文脈の中で、その言葉を発したのかを、
凡百の我々は、正しく理解していない可能性がある。
例えば─、
「 天才は 1% のひらめきと 99% の努力 」
これは、ご存じ「 偉い人 」の代名詞、
発明王トーマス・アルバ・エジソンの言葉だが、
一見、努力の重要性を説いた含蓄のある言葉、
のようにも聞こえるが、
よく読むと、決して 1% の ( 天才的!? ) ひらめきのを、
否定しているわけではないことが分かる。
ましてや─、
ひらめき以上に努力が大事、
と言っているわけでもなければ、
大事なのは努力で、ひらめきなど、
二の次と言っているわけでもない。
むしろ─、
本来の意味は、どちらかと言うと、
「 1% のひらめきがなければ 99% の努力は無駄 」
といったニュアンスだったようで…、
そういう意味では、後世の凡人たちが、
都合よく解釈して受け取った典型例と言えるだろう。
確かに─、
とりたてて優れた才能や能力を持たぬ者にとって、
大事なのは努力であるという主張は、
心地よく聞こえるものだ。また─、
世界的成功者の代表格、ご存じ、マイクロソフト社の創業者、
ビル・ゲイツの言葉に次のようなものがある。
「 Windows にどんな機能がついているべきかを決めるのは、
誰なのか?それは、Windows を買ってくれる消費者だ。」
これも─、
一見、消費者目線の重要性を説いた、
名事業家らしい発言とも受け取れるが、
その前提には─、
OS を開発するだけのソフトウェア技術を確立し、
世界でもトップレベルのプログラマーたちを束ねて来た、
スーパープログラマーの、
発言であるということも忘れてはならない。
OS を開発できるレベルなどというのは、
誰もが、そう簡単に到達できる領域ではない。