前回の記事は、こちら─、
『 詐欺のテクニックはスパイにとっても必須だった!? 』
しぶしぶ、そのアパートへと向かうビショップだったが、
その後─、
すぐに、アパートのテラスから姿を現し、
おまけに─、
そこの住人からコーヒー ( 紅茶か?) まで、
ご馳走になるというオマケ付き。
彼が、そこの住人に対し何と騙り、
家の中へと招き入れてもらったのかは、
映画の中では描かれてはいないが、
それを推測してみるのも一興であろう。
まさに─、
これが、ソーシャルエンジニアリングと言える。
つまり─、
誰かのふりをして他人を欺き、信用させて、
相手の懐へと侵入するのだ。
そういう点では─、
『 ビバリーヒルズ・コップ 』で、
エディ・マーフィが演じた主人公、アクセル・フォーリーなどは、
映画に登場するソーシャルエンジニアとしては、
"折り紙つき" だったと言えよう。
雑誌の記者と偽って─、
予約もしていない満室の高級ホテルに、
無理やり部屋を確保させることに始まり、
花の配達員を装って、敵の親玉の会社の社長室に、
ドアから堂々と侵入する。
また─、
保税倉庫へと侵入し、
警備員に見つかった状況を逆手にとると、
自分は国内の保税倉庫をチェックして回っている、
視察官だと名乗り、
倉庫の責任者を圧倒してしまう。
さらには─、
同性愛者に扮して "下半身の病気" のことを、
一刻も早く伝えたい相手がいると、
会員制の高級クラブへと難なく入り込む。
映画とはいえ、あっぱれとしか言いようがない。
続編の─、
『 ビバリーヒルズ・コップ2 』にいたっては、
改装中の豪邸を見つけると、建築局の監査官だと名乗り、
設計が変更になったため作業を中止するよう告げると、
そこを─、
ビバリーヒルズ滞在中の "仮住まい" にしてしまう。
もはや─、
ここまで来ると、コメディだが、
しかし─、
ソーシャルエンジニアリングの多くは、
後で話を聞けば、呆気にとられるような、
バカげた方法によるものが、ほとんどである。
ご興味がある方は、
ぜひ一度、映画をご覧いただきたい。
『 欺術 ─ 史上最強のハッカーが明かす禁断の技法 』
の著者、ケビン・ミトニックは、
このソーシャルエンジニアリングという手法を駆使し、
ハッカー界のレジェンドとなったわけだが…、
しかし─、
こういった手法は、詐欺の世界では、
古くから存在する手口で、
見様によっては─、
ミトニックは、これら既存の手口 ( ツール ) を、
単にハッキングの世界に "転用" しただけの、
"新入り" に過ぎなかったのかも知れない。
( 次回へつづく... )
『 いまだ謎な、あの国産最狂テロ集団の人材採用術 』