前回の記事は、こちら─、
『 ヘンリー・フォードが語った、顧客に耳を傾ける際の戒めが衝撃的!』
事実─、
インターネットテレビ電話を、
ブラウザ上で実現するとなると、
不可能ではないにしても、無駄に困難なハードルが、
いくつも待ち受けているであろうことは、
技術者であれば、容易に想像がつく。
それが不可能ではないにしても、
現実的ではないのなら、
その方向性に見切りを付けるのは、
決して、間違った判断ではない。
自然を相手にしていると、
諦めなければならない時というのがある。
諦めるというのは間違った決断ではない。
明らかに見極めるということ。投げ出すということではない。
これ以上、前進できないという決断をして、
その決断があったからこそ後に成功する。
( 白石康次郎 / 海洋冒険家 )
開発に当たるのは技術者だが、
そういった困難に伴うコストについて、
企画する側の人間が、
全くの無知であっていい理由はない。
事実─、
今日、既存のアプリケーションを、
見渡してみても、
使いやすさという点では、やはり、
ブラウザという枠組みの中で実現されたシステムよりも、
Windows アプリケーションとして、
開発されたシステムの方が、
遥かに使い勝手の良い、
ものであるという点は否めない。
もちろん─、
反対意見もあるだろうが、しかし、それは、
もはや、好みのレベルの問題であると私は思う。
インストールの手間にしても─、
使い始めの初回に一度、発生する、
インストール作業に躊躇する程度のユーザーであるなら、
そもそも─、
インターネットテレビ電話などを使用する、
ユーザー層である可能性は低い。
結局─、
このプロジェクトは、Windows アプリケーションとして、
開発を進めることになったのだが、
一年ほどの開発期間を経てリリースに到った、
当社のインターネットテレビ電話は、
その後─、
パソコン雑誌などにも特集記事が掲載され、
中堅ソフトウェア会社の商品としては、
なかなかのヒット作となった。
もちろん─、
先にも述べた通り、ブラウザ方式と、
Windows アプリケーション方式の、
二種類のシステムを開発し、
ユーザーからの反応を比較したわけではないので、
この結果だけをもって、この選択が、
正解だったのかどうかの判断は、
避けるべきところではあるだろうが…。