前回の記事は、こちら─、
『 私が経験した、お客さまの声に耳を傾けてはいけなかった事例 』
かつて─、
ヘンリー・フォードは次のように語ったと言う。
もし顧客に、彼らの望むものをたずねたとしたら、
彼らは「 もっと速い馬が欲しい 」と答えていただろう。
( ヘンリー・フォード / フォード・モーター創業者 )
自動車の歴史を振り返る限り─、
このような顧客の言葉に耳を傾けることは、
バカバカしいことであるということは、
言うまでもないことであろう。
顧客の真意を読み解くなら─、
彼らは、より速く移動できる手段が、
欲しかったということであり、
当時の人たちにとって、
"早く移動できる手段" と言えば、
「 馬 」というイメージでしかなかった、
だけのことである。
従って─、
顧客の言葉に「 耳を傾ける 」ということは、
決して─、
顧客の言葉を「 鵜呑みにする 」
ということではないということだ。
今回の例で言えば─、
クライアントが望んでいるのは、
コンピュータに不慣れな者でも、
容易に使いこなせるインターネットテレビ電話、
ということであり…、
当然─、
動作面においては、起動も速く、
機能は多過ぎず少な過ぎず、
画面上の邪魔にならない位置に、
邪魔にならないサイズで配置できて、
行ったクリック操作に対しても、
ストレスなく動作する、
と言うことは、暗黙的に含まれている。
従って─、
ブラウザ上で動作しているかどうかは、
実は、本質的な問題ではなく、
単に─、
ブラウザは、普段、
自分が容易に使いこなしている、
アプリケーションのイメージに、
直結したに過ぎない。
しかし─、
そのような想像上のイメージが、
実際に、それを実現した時に、
想像通りであるとは限らないのである。
( 次回へつづく... )
『「 あきらめる 」という行為に、つきまとうマイナスイメージを消す。』