私が経験した、お客さまの声に耳を傾けてはいけなかった事例 | サラリーマンの副業+在宅×必要悪ソフト

サラリーマンの副業+在宅×必要悪ソフト

人様から、お金を貰って提供できるだけの何かを形にするためには、最低でも10年は必要。確固とした専門スキルを持たぬ者が「大事なのはお客様」などと主張するのは持たざる者の言いわけ。それを、いかにして成すかを理解せぬ者が、何をするかだけを決めるのは間違いのもと。

以前いた会社でのことである。



私は、かつてインターネットテレビ電話の
開発に、携わったことがあるのだが、



その際─、



社内の企画サイドから、



「 ブラウザ上で動作するシステムとして実現できないか? 」



という話が持ち上がったことがあった。
このことで、開発サイドは難色を示し、



例によって─、



企画側と、開発側による、
激論バトルが交わされることとなった。



開発サイドとしては─、



インターネットテレビ電話のようなソフトウェアを、
ブラウザ上で実現するとなると、



決して─、



軽快なシステムにはならないとの、
確信に近い目算があった。



インターネットテレビ電話を実現するには、



当然─、



ローカル環境のビデオキャプチャデバイスや、
音声の入出力デバイスなどを制御する必要があり、



また─、



WinSock などのネットワーク系 API も、
使用することになる。



もちろん─、



ブラウザ上からでも、
様々なテクニックを駆使すれば、



そういったローカルデバイスにアクセスする方法や、
ネイティブコードを実行する方法は、



なくはないかも知れない。



しかし─、



そもそも、インターネットテレビ電話のような、
システムは環境に負荷もかかる。



それを─、



ブラウザ経由で行うとなると、
様々なオーバーヘッドは避けられない。



いかに、そのシステムがユーザーにとって、
魅力的な機能を備えていたとしても、



動作にストレスを感じるようでは、
ユーザーは、離れて行ってしまう。



「 ブラウザ上で動作するなら、インストールの、
必要がないため、素人でも取っ付きやすい… 」



そう、あるクライアントから指摘されたことが、



企画側がブラウザによるシステムを、
推奨するようになった主な要因だったようだが、



そうかと言って─、



そのクライアントが開発費を出資するわけではない。
( そのクライアントからのオーダー開発である、
というのなら話は別だが… )



当然─、



試作版を開発してみるにも、
いささかコストが、かかり過ぎる。



確かに─、



そういった難題を克服してこそ、
自社商品に、強みも生まれる…、



とのご意見も、もっともではあるが…、



しかし─、



そのクライアントの懸念が、製品に対する、
"取っ付きやすさ" への不安にあるとするなら、



その懸念を払拭する対策を、
幅広く検討すべきであり、



「 ブラウザ 」というキーワードに、
とらわれるべきではない。



かつて─、



ヘンリー・フォードは次のように語ったと言う。



( 次回へつづく... )
『 ヘンリー・フォードが語った、顧客に耳を傾ける際の戒めが衝撃的!』