前回の記事は、こちら─、
『 サッカーの試合でよく「 ゴールポストに嫌われた 」などと言うことがあるが、あれは本当に… 』
ある知り合いのつてで、将棋の故米長邦雄名人の講演に、
足を運ぶ機会を得たことがあった。
その際─、
名人のクチから語られた言葉は、
大変、興味深いものであった。
まず─、
名人は将棋のことを、
ハッキリと「 運 」のゲームであると語った。
通常─、
運に作用されるゲームと言えば、
すごろくやトランプなど、
サイコロの出方や、配られたカードによって、
勝敗に影響が出るということは分かる。
しかし─、
こと将棋においては、敵味方双方の駒は、
すべて盤上に並べられており、
偶然の要素が入り込む余地は一切ない。
すべては─、
「 実力 」対「 実力 」、「 頭脳 」対「 頭脳 」の勝負である。
当時の私は、そう考えていた。
しかし─、
実際は、そうではないと言う。
もっとも─、
あらかじめ、お断りしておくと、
これはトッププロの世界の話であり、
我々が普段、遊びで楽しむ程度の、ヘボ将棋の、
レベルにおいては必ずしも当てはまるとは限らない。
しかし─、
トッププロともなると、
実力は、もはや拮抗していると言う。
その中で勝ちを得て行くためには、当然、実力以上の、
プラスαの要素が必要になって来ると言う。
米長名人によれば、それが、
「 運 」であると言うのだ。
運と言うと通常、我々は…、
( 次回へつづく... )
『 ある勝負師が語る運のコントロール術 』