今日だけ考えて生きる
昨日も明日も考えない
寝る前に死ぬ
運良く次の朝も生きていたら、またお会いましょう
( スペインの諺 )
なんと、清々しいシンプルな生き方であろうか。
私は出会った瞬間から、
この諺が気に入ってしまった。
こんな風に生きて行けたら、最高だと思う。
そういえば以前、こんな小説を読んだことがある。
『 闇が落ちる前に、もう一度 』( 山本弘 )
内容はというと─、
バートランド・ラッセルによって提唱された、
「 世界は実は 5 分前に始まったのかもしれない 」
という仮説をモチーフにした作品で、
"宇宙の真の姿" について独創的な理論を構築した、
ある宇宙物理学者が、
宇宙は、わずか 8 日前に誕生したことを、
証明してしまうというもの。
もちろん─、
これは、作り話に過ぎないのだが、
しかし─、
人生の大部分は幻想 ( イリュージョン )。
だって、過去の出来事はすべて記憶、
そして、未来は想像、
どちらも幻想─、
記憶は信用できないし、未来については、推測するしかない。
絶対に現実であると言い切れるのは、いまこの瞬間だけ─、
しかもそれだって、想像から記憶へと刻一刻と変化し続けている。
人生の大部分は幻想。
『 イリュージョニスト魔術師(上) 』( ジェフリー・ディーヴァ ) より
この世界がもし、
この瞬間に突如、現在の状態で出現し、
過去、起きた ( と我々が認識している ) 出来事は、
すべて、そうであったかのように、
宇宙によって "ねつ造" されたものであったのだとしても、
今のところ─、
我々には、それを否定する術は、
ないように思われる。
そして─、
もし、そうなのだとしたら、
文字通り世界は、
"出来立てホヤホヤ" だということになる。
( 次回へつづく... )
『「 明日、死ぬとしたら生き方が変るのですか? 」( チェ・ゲバラ ) 』