私もソフトエンジニアとして、
もうかれこれ10年以上の歳月を過ごして来たが、
ソフト開発を手掛けてきた人間としては、
たとえ、それがフリーソフトであったとしても、
自分が一から企画立案し、開発したソフトが、
今も世間の誰かに使用されているという「 体験 」は、
無上の喜びと言える。
私が一から手掛けた最初のソフトウェアは、
社会人になって二年目に差し掛かった頃のことで、
当時、私が勤めていたソフトウェア会社では、
ネット上での新たな展開を模索しており、
その土台となるアプリケーションだった。
現在の自分と比べると、
社会人としても、エンジニアとしても、
まだまだ、駆け出しでしかなかった、
当時の私は、
リリース当日は、まさに手が震える思いで…、
先輩社員に─、
「 こんなものはビビってたって仕方ない、
当たって砕けろでいいんだよ 」
と、背中を押してもらったことを覚えている。
その後─、
最初のダウンロードがカウントされた時も、
"明日には、きっと不評のコメントで、
会社のホームページの掲示板が溢れ返るのではないか?"
などと、おののきながら成り行きを見守った。
しかし─、
幸いにも、これといった不評の反応はなく、
( 好評の反応も、取り立ててあったわけではないが… )
ダウンロード数が徐々に増えるにしたがって、
かつて、震え上がっていた自分など、
最初から存在しなかったかのように、
社内を歩く、私の胸も、
どんどん、前へと "突き出て" いった。
( 次回へつづく... )
『「 自分 」というブランドだけで挑むということ 』