前回の記事は、こちら─、
『「 イヴサンローラン 」の正しい読み方、知ってました? 』
イヴ・サンローランという人物は、
ファッション界に幾多の革命を起こした天才で、
「 モードの帝王 」とまで讃えられた人物なのだそうだが、
生前の彼を知る関係者のクチからは、
- 内気
- 引っ込み思案
- 内向的
- シャイ
などなど…、
およそ「 帝王 」と呼ばれた人物とは思えない、
言葉の数々が並ぶ。
どのような世界であっても、
そこで頭角を現していく人間というのは、
もっと貪欲で、自信に満ち、
ギラギラとした肉食のオーラをまとっているもの、
と思ってしまいがちだが、
少なくとも、この番組の中で語られる、
関係者の証言や、生前の映像を見る限りでは、
そのようなイメージとは、
対極の人物であったように思われる。
もちろん─、
サンローラン氏が、通常は決して
プラスの要素とは見なされない、
そのような側面を補って余りある、
稀代の天才であったと、
短絡的に解釈してしまうのは簡単だ。
しかし─、
競争が激しく、他人の才能を妬み、
他人の失敗を祝い事とする、
熾烈な世界であることは想像に難くない、
ファッションの世界にあって、
生涯に渡り、トップに君臨し続けた氏のことを、
単なる「 天才 」の一言で片付けてしまうというのも、
他ならぬ、サンローラン氏に対して、
失礼と言うべきではあるまいか?
( 次回へつづく... )
『 おれたちは皆、自分とは違う人間になりたいと思うもんだ… 』