前回の記事は、こちら─、
『 味を知ることと消化することとは違う、まぁそう焦りなさんな 』
転職後も─、
決して、音楽への興味が、
薄れたわけではなかったし、
かつて、大学院時代に取り組んだ、
「 自動編曲 」の研究も、
いつか何らかの形で、
"発展" させたいという想いは、
常に頭の片隅に、存在し続けていた。
ならば─、
今やらなくて、いつやるのか…?
今でしょ!
もちろん─、
今まで取り組んだこともない、
ネットビジネスの勉強など、
やることは、山ほどあり、
会社の同僚などに相談するわけにもいかず、
本業のかたわら、帰宅後や休日に、
少しずつ作業を進める日々は、
決して、楽なものではなかったが、
しかし─、
それ以上に、昼と夜は、別の「 顔 」を、
持つかのごとき "二重生活" は、
つい先日まで、
伸び悩みに悶々としていた自分にとっては、
日々の疲れを、補って余りある、
スパイスを、もたらすものでもあった。
この頃から、私が急にマーケティングなどの、
ビジネス書を熱心に読み始めたものだから、
妻も─、
「 独立して事業でも始めるつもり? 」
などと訝しんだりもしたが…、
そういう時は─、
「 社会人としてのスキルアップのためさ 」
と答えて、やり過ごした。
私の場合、何事においても、
まだハッキリと方向性が定まらない段階で、
人にベラベラと吹聴してまわることは、
あまり好みではない。
その方が─、
もし仮に、上手く行かなかった場合でも、
周囲の自分に対する "減点" を、
最小限にとどめることが出来る。
これを小心と捉える向きもあるかも知れないが、
事を内密に進めるのも、また知恵でもあるのだ。
一人だけで始められるベンチャー企業はほとんどない。
でも秘密にやることにも利点はある。
秘密のプロジェクトというだけで何かわくわくするものがあるし、
失敗したって誰にもばれないんだから、大胆な挑戦ができる。
( ポール・グレアム )
しかし─、
内心では、本気だったことは否めない。
私は、再び、
"充足感" を手に入れたのである。
( 次回へつづく... )
『 戦略とは「 戦い 」を「 省略 」すること 』