前回の記事は、こちら─、
『「 孤独な木は、育てば丈夫に育つ 」は本当か?生まれた時から父親がいなかった私の父は… 』
確かに父は─、
酒を飲んで荒れることもなければ、
ギャンブルに溺れて、
金をつぎ込むようなこともなかったが、
総じて、家庭を顧みることは稀で、
母も─、
「 あの人は、家庭というものを知らず育ったから… 」
との、一定の理解を示しつつも、
日々の用事に追われる生活の中にあっては、
ことあるごとに衝突を繰り返すのが常であった。
私の少年時代の記憶にある父は─、
「 しつけ 」と「 不親切 」を混同していると言うか…、
「 厳しさ 」と「 無責任 」を、はき違えていると言うか…、
とにかく二言目には─、
「 何があっても本人の責任だ、放っとけ!」
との放任主義を決め込むのが常で、
確かに─、
自分は父親もおらず、一人で何とか生き来た、
との自負もあったのかも知れないが、
1980 年代当時の一般家庭における、
男女の役割分担の社会通念を考慮したとしても、
家庭を顧みなさ過ぎるきらいがあったことは事実で、
子供ながらに、将来、自分が家庭を持つ機会があるとしたら、
この男の逆のことをさえしていれば、
夫婦間で起こる、たいていのトラブルは、
回避できるだろうと思えるほどであった。
( 次回へつづく... )
『 小学生の頃から塾通いをさせられた、ある少年の事例 ~ 彼は、その後どうなったのか? 』