私の父は、高校を出てすぐに働き始めた。
幼少期から無線や電子工作に興味があり、
製造業の会社で働き始めたものの、
諸事情あって数年後に倒産。
その後─、
自ら電子機器の製造を請け負う仕事を始めた。
それでも、当時の高度経済成長の潮流にの乗り、
1990 年のバブル崩壊までは、
仕事は、それなりに順調に推移したようだ。
大学へも行こうと思えば、
行けない成績ではなかったようだが、
不幸にも、生まれる直前に父親を亡くしており、
その後─、
継父の家庭で暮らすという境遇では、
それは、ままならなかったようである。
ただ─、
幸いと言うべきか、
物心ついてから親を亡くすのとは違い、
生まれた時から存在しないという状況は、
周囲と比べて、違いは感じるものの、
そのことで寂しさを感じたことはないと、
以前、父は述べていた。
しかし─、
継父の家庭での暮らしというのは、
自分の居場所を見いだせず、
肩身の狭い環境であったことは想像に難くない。
"孤独な木は、育てば丈夫に育つ"
とは言うものの…、
そのような境遇は─、
その後の人間関係の構築に、大きな影を落とす、
要因に、つながったことは言うまでもないことであろう。
( 次回へつづく... )
『 それは「 しつけ? 」それとも「 不親切? 」、それは「 厳しさ? 」それとも「 無責任? 」』