私はソフトエンジニアとしての仕事柄、
ソフト開発やプログラミングに関する、
専門書に目を通すことはもちろん、
ネットビジネスにも取り組んでいることから、
ビジネス書にも目を通すことが、
必然的に多くなるのだが、
それらに加えて─、
小説を読むことを、
密かな楽しみとしている。
ジャンルは、どうしても、
ソフト開発なんぞに携わってきた人間としては、
コンピュータやネットをテーマにした作品に、
偏りがちなのは否めないが、
あまりにも荒唐無稽なものはともかくとして…、
遠い未来を舞台にしたものではなく、
あくまでも、舞台設定は現代で、
その中に少しばかり、
現代から飛躍した「 要素 」が登場するような…、
そんな作品が、私の興味をかきたてて離さない。
それらは─、
意外にも、ここ 2、3年以内に、
発表された「 現代 」の作品ではなく、
10 年、20 年前に、
当時のイマジネーションを駆使し、
「 少し飛躍した要素 」を盛り込んで、
書かれた作品である場合が多い。
それらの作品は─、
10 年、20 年という "醸成期間" を経て、
一層、異彩を放つ存在へと変質を遂げる。
もちろん─、
そこには「 パソコン通信 」であるとか、
「 モデム 」、「 フロッピーディスク 」などといった、
今日においては、すでに、
"古代の遺物" と化してしまったようなアイテムも、
しばしば登場するが…、
だからと言って─、
「 飛躍した要素 」の部分が、
古びてしまっているかと言えば必ずしも、そうではない。
むしろ─、
今日においても尚、近未来の技術であったり、
コアとなるテーマは、今日においてこそ、
より一層、重要度を増している課題であったりもする。
だから─、
そのような古びたアイテムの登場だけをもって、
即座に時代遅れと退けてしまうのは、もったいない。
こういう言い方をしては不遜だが…
( 次回へつづく... )
『 シビアな論理的思考が求められる社会人の、妄想力 ( 誰にも検閲されない自由な想像力 ) の鍛え方 』