前回の記事は、こちら─、
『 猿たちは、いかにして地上の支配者となったのか? 』
そこでハリウッドが選択したシナリオは─、
認知症の治療薬の実験により、
知能が向上した猿 ( チンパンジー ) が誕生するというのが、
その発端になるというものだった。
その一匹のチンパンジーが、紆余曲折を経て、
その目の奥に知性と "決意" を宿せし存在へと変貌し、
他の猿たちを統率して行く。
もっとも─、
多少、知能が向上し、
また─、
身体能力においては、
人間を凌ぐ存在であるとは言え、
依然として、森で "裸" 同然の姿で、
原人と変わらぬ暮らしをするしか、
能がない程度の猿たちが、
自動車やコンピュータ、ロケットといった、
複雑な道具を発明し、
警察や軍を組織し、
学問や教育なるものを発達させてきた人間を、
こうもたやすく圧倒するというのは、
いささか、映画ならではの飛躍といった印象は否めないが、
それでも─、
まさに、一匹の獅子に率いられた羊の群れが、
組織化された軍隊へと変貌していく様は、
大変、興味深くもあり、恐ろしくもある。
そして─、
「 天才が凡人に負けることは、歴史的に見ても少なくない 」
(『 銀河英雄伝説 』より )
( 次回へつづく... )
『 高度に進化した存在のみが持つ、静かなる「 武器 」』