前回の記事は、こちら─、
『 技術の研鑽に励む技術者に難癖をつける者たち ~ それに対する技術者からの反論 』
曲がりなりにも人様からお金を貰って提供できるだけの、
商品を開発する技術などというのは、
一朝一夕で築けるものではない。
従って─、
技術者を志した以上は、人生の一時期において、
脇目もふらず技の研鑽に励む期間というものもまた必要なのだ。
そういう意味では─、
私が、この会社で過ごした二十代の期間というのは、
まさに、一人のエンジニアとして、
技術の研鑽に励んだ期間だったと言えるだろう。
それは何度も言うように、
技術者にとっては必要な期間であり、
私が当時、仕事に対して、
そのような "向き合い方" をしていたとしても、
そのことで誰に批判されることではない。
しかし─、
会社の業績悪化は、さらに深刻化しつつあった。
私は、常々─、
「 結果を出すのがプロだ 」
そして─、
「 何事も不可能だと考えるのではなく、
何らかの解決策を見出すのがプロの腕の見せどころである 」
などといった言葉を社長から聞かされていたことから、
我々、技術者はしかるべく、
商品開発にいそしんでいるにもかかわらず、
営業や、当の経営者は、なんたるザマか!
と、彼らに対し、さらなる怒りを増長させていった。
特に─、
当時、私が在籍していた、この会社の社長というのは、
営業畑の人間であり、
技術に関しては、ほとんど、
素人といっても過言ではないほどのレベルと言えた。
そのような─、
技術の「 ぎ 」の字も知らなければ、
開発の「 か 」の字も知らず、
商品開発において、どれだけの、
コストや、手間や、時間や、労力が、かかるのか?
といったことにも、全くもって理解に乏しい者の、
短絡的な "プラス思考" 発言にも、いい加減、辟易し、
私の、営業や経営者の対する憤りは、
日に日に膨れ上がるばかりだった。
しかし─、
結局、事態が好転することはなく、
ほどなくして、私も会社を去ることになる。
( 次回へつづく... )
『 あたなにとって "まとまった金額" ってどれくらい? 』