前回の記事は、こちら─、
『 世界の裏舞台で暗躍し、あれだけ狡猾で冷徹だった、あの男が唯一成し得なかったこと 』
確かに─、
企業や組織の中で、のし上がって行くというのも、
それはそれで、大変なことではある。
しかし─、
たとえ、その組織の中で頂上にまで、
登りつめたとしても、
そこから一歩、外へ出れば、
世間では、ただの人でしかない。
多少、会社の中で認められ、
自分が大きな存在になったかのような気になっていても、
一旦、そこから離れると、
いかに自分が、組織に守られた存在であったのか、
ということが分かる。
私の知り合いに、こんな営業マンがいる。
彼は、中小の WEB コンテンツ制作会社で、
一案件当たり、数十万程度の受注獲得に日々奔走していた。
そんな折、彼が転職することになり、
ほどなくして、話をする機会があったのだが、
次に移った会社も規模は同程度の、
同業種だと言う。
しかし─、
以前いた会社と異なっていたのは、
その会社が某大手出版社のコンテンツ制作を請け負っており、
自社の営業活動においても、その出版社の名前を、
語れるという "特権" を有していた。
そのような「 看板 」で営業をしていると…、
数百万単位のコンテンツ制作の話を、
訪問先の担当者が、真面目に聞いてくれると言う。
しかし─、
これは、お分かりの通り、彼の営業力が、
突如として向上したわけではない。
「 後ろに立っている看板 」から後光が射しているのだ。
しかし─、
このことで、彼をとやかく言う筋合いはない。
こと、ビジネスにおいては ( いや、ビジネス以外であっても…!)、
結果の伴わない努力は、必ずしも美徳とは限らない。
彼が、より少ない労力で、
何倍もの成果をあげたのなら、それは彼の勝ちだ。
( 次回へつづく... )
『 虎の威を借る狐どもに、一泡吹かせてやろうじゃないか!』