「 オーディオには、やはりこだわりたいものだ。」
私は以前、ピアノをたしなんでいたことが、
あるのだが、
そこで指導を受けた先生は、ある時、こうおっしゃった。
音楽を専門にやっている人間にとっては、
ライブのサウンドに勝るものはなく、
様々な演奏家の録音を聴くことはあっても、
とりたてて、オーディオなどには、
こだわらないものと思い込んでいた私は、
少々、面食らった記憶がある。
そして、さらに先生は─、
以前、ある展示場で試聴した、某メーカーの、
高級スピーカーから再生されたサウンドは、
「 目の前でオーケストラが演奏しているかのようだった。」
と、熱く語っておられた。
しかし─、
そのようなスピーカーを、自宅に所有するのは、
様々な住宅事情により、難しいのも事実。
そこで─、
次善策として、高性能のヘッドフォンを、
おすすめするとのこと。
当時、おっしゃったのは、ドイツ製のもので、
価格は5万円ほど…。
このヘッドフォンを用いると、
音が上から聴こえたり、
後ろから聴こえて来たりと…、
聴こえて来る音の方角まで再現できるのだとか。
残念ながら─、
私は、未だ、それを購入するには、
至っていないが…、
しかし─、
本当に良いオーディオ機器というのは、
スピーカーに電源とボリュームくらいしか、
付いていない、案外シンプルなものだという。
何故なら、ありのままの音を出すだけだから…。
オーディオ機器で、
イコライザーやブースターなど、
やたらと色々なものが付いているのは、
音が悪いことを、
露呈しているようなものである。
ありのままの音を出すだけなら、
本来、そういったものは必要ない。