前回の記事は、こちら─、
『 人間 vs コンピュータ(6) ~ 欧米におけるチェスと日本における将棋との温度差が半端ない!』
外国映画などではよく─、
数学者は、知的なチェスの名人として、
描かれていたりする。
第二次大戦中─、
戦争ゲームのエキスパートなら、
きっと、実際の軍事作戦においても、
すぐれた能力を発揮できるだろう、
という思いこみから、
時の将棋の名人が─、
参謀本部にコンサルタントとして、
招集されたことがあったらしい。
(『1つのことを、とことん!』参照 )
しかし─、
実際には、このような期待は、
たいてい、裏切られるのがオチだ。
かのナポレオンも、チェスに関しては、
ヘボの極致だったと言う。
エドガー・アラン・ポーは─、
代表作『 モルグ街の殺人事件 』の中で、
次のように述べている。
最高級の知力を持つ人々は
チェスをつまらないものとけなして、
ちょっと不思議なほど
ホイストに凝ったものだ。
たしかに、この種のものでは
ホイストほど分析能力を働かせるものは
ほかにない。
キリスト教国中で一番の
チェスの名人だといっても、
つまりはただチェスの名人だというにすぎない。
ところがホイストの上手ということになると、
心と心とがたたかうすべての、
もっと重大な事業にも成功できる
ということを意味する。
人間の心理を読み、
ハッタリを仕掛け、
ポーカーに勝つ人工知能ができれば、
もう少し、人間にとって、
"手強い" 存在となるかも知れない。
( 次回へつづく... )
『 人間 vs コンピュータ(8) ~ コンピュータは理由を教えてはくれない!? 』