前回の記事は、こちら─、
『 顧客目線で考えること vs 顧客目線でも考えること 』
そして─、
有用な技術というのは、文字通り、
「 有用である 」という意味であり、
技術のことを知らない素人にも、
「 理解できる 」という意味ではない。
むしろ─、
本当に有用な技術というものは、
往々にして、縁の下で人知れず動いているものだ。
それを─、
顧客にどうアピールするかは、販売戦略上の問題である。
顧客の視点を重視することは、
技術に無知でいることを正当化する手段ではない。
技術や物作りに対する無知を棚に上げ、
営業関係者にとって理解できない話は、すべて、
顧客目線から外れている…、
といった主張が、社内でもっともらしく捉えられる、
昨今の風潮は、
個々の企業のみならず、業界全体をも、
衰退させる危険性をはらんでいる。
何度も言うにように、技術の遅れは、
数年で、その差を埋められるものではないからだ。また─、
その技術の優位性を維持して行くためには、
常に新たな技術についても、
研究し続けて行くことが必要になってくる。
そこで、息切れして立ち止まっていては…、
持つ者はさらに持ち、持たざる者は、さらに、
手持ちの "カード" を失っていく。
その後、コンピュータ業界は、
ある者は OS を握り、ある者は CPU を押さえ、
気が付けば、かつての業界の雄たちは、
「 外箱 」だけを作っている。
その上司とは、その後、私も経験を重ねるに従い、
幾度となく、議論を交わすようになった。
しかし─、
会社の諸々の事情もあり、その後、私は、
7 年間勤めた、その会社を去ることになる。
その時点で、その上司とも袂を分かったため、
その後の詳細は知らない。
その上司とは、もちろん軋轢も生みはしたが、
色々な意味で鍛えられもした。
息災であることを願っている。
またいつか、対峙できる日のためにも…。