前回の記事は、こちら─、
『 役に立ってこそ技術か? 』
それを解くカギは、私が思うに、
過去からの反動にあると思う。
かつて、高度経済成長期と呼ばれた時代。
需要は高まり、物は作れば売れた。
「 欧米に追い付け!追い越せ!」
をスローガンに、高度な技術力を、
蓄積することが善とされ、
やがて─、
極東の敗戦国でしかなかった日本は、
技術や経済において世界をリードし始める。
「 made in Japan 」
は、いつしか世界最高品質の代名詞となり、
産業立国と呼ばれる時代が到来する。
まさしく─、
技術様々、技術者様の時代だ。
しかし─、
何事も永遠に続くことなど有り得ない。
やがて─、
物は溢れ、景気は下降線をたどり始める。
そして─、
物の良し悪しだけが、購買の決め手とはならない時代へと、
世の中がシフトして行く。
そのような時代の変化の中で、
かつて善とされたものが、
批判の憂き目に合うということもまた、
世の中にはよくあることだ。
高度な技術を持つ者たちが─、
それにあぐらをかいた、愚かな連中として、
冷遇されるようになり、
その論理は、やがて─、
持たざる者たちの自己正当化にも、
用いられるようになっていく。
( 次回へつづく... )
『 顧客目線で考えること vs 顧客目線でも考えること 』