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人様から、お金を貰って提供できるだけの何かを形にするためには、最低でも10年は必要。確固とした専門スキルを持たぬ者が「大事なのはお客様」などと主張するのは持たざる者の言いわけ。それを、いかにして成すかを理解せぬ者が、何をするかだけを決めるのは間違いのもと。

ある分野ですぐれた才能をもっている人物は、
別の分野でも同じ能力を発揮できるにちがいない、



という思いこみが、
なぜか私たちには共通してあるようです。



名探偵シャーロック・ホームズの生みの親、
コナン・ドイルに、現実の犯罪捜査をやらせたら…とか、



ミスディレクションの女王といわれた推理作家、
アガサ・クリスティーに奇術のトリックを開発させたら、



どんな素晴らしい作品が生まれたことだろう、
といったふうに、勝手な想像をめぐらせがちです。



戦略ゲームのエキスパートなら、



軍事作戦にもきっとすぐれた力を、
ふるうことができるだろうという思いこみから、



第二次大戦中に、将棋の名人が、



時の参謀本部にコンサルタントとして呼ばれた、
というエピソードがあるほどです。



世界の戦史に燦然と輝く軍事的天才、
ナポレオン・ボナパルトがチェスをしたら、



どんな素晴らしい棋譜を後世にのこしてくれただろうか、
と人々が考えても別にふしぎではありません。



パリのレストラン、カフェ・ド・レジャンスの、
あるテーブルには、百年以上にもわたって、



「 このテーブルで、ナポレオン・ボナパルトが、
いつもチェスをした 」



ときざみこまれた真鍮の板がはめこまれていました。



しかし、このプレートには、天才的戦略家が、



将棋でいうならヘボの極致のような、
下手くそなプレイヤーだったという真実の報道は、



用心深く省かれています。



ナポレオンの棋譜は現存するものが三つ、
今では全部がにせものだということになっています。



棋譜からみてナポレオンがそんなに強かったはずはない、
というのが、鑑定のきめ手だというのですから、



天下の戦略の大家も形なしです。



『 トリックスター列伝 』( 松田道弘 ) より



( 次回へつづく... )
『 万を以て一にあたるのではなく、一を以て万にあたれ 』



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